アルミ塗装にミッチャクロンは必須?失敗しない下地と手順を解説

アルミ塗装にミッチャクロンは必須?失敗しない下地と手順を解説

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アルミ塗装にミッチャクロンは必須ではなく、アルミに直接塗れる専用スプレーを使う方法もあります。メーカーのカタログに書かれた塗り方と乾燥時間をもとに、使う場面と手順を整理します。

悩見有造
悩見有造

アルミにスプレー塗装をしたいのですが、ミッチャクロンは必ず必要ですか?

編集長
編集長

上塗りに何を使うかで変わります。アルミに直接塗れる専用スプレーなら不要で、一般の塗料を塗りたいときにミッチャクロンのようなプライマーが役立ちます。

📌 この記事でわかること

● ミッチャクロンが必要な場合と不要な場合

● メーカーが示す塗り方(距離・回数・乾燥時間・塗れる面積)

● 相性のよい上塗りと、注意が必要な上塗り

● サッシ・ホイールで使う塗料と乾燥時間の目安

アルミ塗装にミッチャクロンを使う際の基本:密着する仕組みと注意点

アルミ塗装にミッチャクロンを使う際の基本:密着する仕組みと注意点

編集長
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ミッチャクロンは、塗料と素材の間に入って密着を助けるプライマーです。メーカーのカタログには素材ごとの相性と使えない条件が載っているので、塗る前に確認しておきましょう。

この章の数値と条件は、製造元の染めQテクノロジィが公開している「ミッチャクロンマルチ」のカタログにもとづきます。

アルミに使うと何が変わる?密着の考え方

変わるのは上塗り塗料の密着で、カタログはミッチャクロンマルチの目的を「塗料と被塗物の密着力を上げるプライマー」と説明しています。アルミやステンレス、亜鉛メッキなど密着の悪い金属に、ペーパー研ぎなしで使える(一部を除く)とされています。

必須かどうかは、上塗りに使う塗料で決まります。

上塗りに使うもの ミッチャクロン 根拠
アルミ用スプレー(例: アサヒペン カラーアルミスプレー)不要製品特長に「アルミに直接塗れます」と表示
ホイール用塗料(例: ソフト99 ホイールカラー)不要塗料内にプライマー成分を配合(99工房Q&A)
一般のラッカー・ウレタン塗料など使うアルミは素材別の表で◎

ただしカタログには「アルミニウム合金は一部密着性の弱い物がある」との注記があります。本番の前に、目立たない場所で試し塗りをしてください。

ミッチャクロンで金属に塗装できる?相性の良い素材と条件

金属にも塗装でき、カタログの素材別の表ではアルミニウム・ステンレス・ガルバリウム・銅・スチールが◎です。主な金属の評価と注記を抜き出すと次のとおりです。

素材 評価 カタログの注記
アルミニウム(A1050P)◎合金は一部密着性の弱い物があるため、使用前に問い合わせ
アルマイト加工品○―
ステンレス(SUS304・403)◎一部の鏡面肌を除く
電気亜鉛メッキ・溶融亜鉛メッキ○塗る面を研磨しない
鉛・真鍮・クロムメッキ○―
フッ素加工品○表面のフッ素を除去してから

条件は、塗る面の油分・汚れ・水分・ホコリを完全に取り除くことです。シリコンが含まれる素材には使用できず、気温5℃以下や極度に湿度が高いときは十分な密着が得られないおそれがあるとされています。

ミッチャクロンを使うデメリットは?向かないケースも整理

ミッチャクロンを使うデメリットは?向かないケースも整理

デメリットは、厚塗りするとかえって密着不良になることと、上塗りの種類によって相性があることです。カタログの注意書きから、向かないケースを整理します。

向かないケース カタログの記載
厚塗り・くぼみへの溜まり溜まった部分が密着不良の原因になる
シリコンを含む素材使用しない
気温5℃以下・極度の高湿度十分な密着が得られないおそれ。塗る面を温めるか乾燥時間を長く取る
ラッカー系塗料の厚塗りクラック(ひび)が起きるおそれ。乾燥時間を取りながら薄く塗り重ねる
水が溜まる場所メーカーへ問い合わせ
上塗りがアクリルエマルジョン・合成ペンキ(フタル酸エナメル)適正な上塗りの表で△

薄い膜で十分に密着するため、たくさん吹くほど効くわけではありません。

塗装の上にミッチャクロンはOK?重ね順と失敗パターン

古い塗装の上にも使えますが、塗膜の種類で結果が変わるため、カタログは塗装前のテストを求めています。用途には「塗装の塗り替え」が挙げられ、焼付塗装の塗膜は◎、カラートタンは○です。

順番 工程 メーカーの目安
1素地調整油分・汚れ・水分・ホコリを完全に除去。シリコン系塗装・フッ素塗装・撥水コーティングは研磨などで除去
2ミッチャクロン薄く均一に1~2回(スプレーガンは15~20cm程度離す)
3乾燥上塗りが溶剤系なら20~30分、水系なら2時間程度(気温20℃・湿度60%)
4上塗り使う上塗り塗料の仕様に従う

失敗しやすいのは、浮いた古い塗膜を残したまま吹く場合と、乾燥を待たずに上塗りする場合です。爪でこすってはがれる塗膜は、先に落としてから作業します。

剥がれる原因は?密着不良が起きる典型例

剥がれる原因の多くは、汚れの残り・厚塗り・乾燥不足の3つです。

症状 主な原因 対策(カタログの記載)
端からはがれる油分・汚れ・水分の残り塗る前に完全に除去する
角やくぼみではがれるミッチャクロンの溜まり・厚塗り薄く均一に吹く
ひびが入るラッカー系塗料を一度に厚塗りした乾燥時間を取りながら薄く塗り重ねる
冬に密着しない気温5℃以下で塗った塗る面を温めるか、乾燥時間を長く取る
亜鉛メッキではがれる塗る面を研磨した・上塗り直後に力を加えた研磨しない。溶融亜鉛メッキは上塗り後1週間は無理な力を加えない

【アルミ塗装】ミッチャクロンのやり方:スプレー選びと剥がれ対策

【アルミ塗装】ミッチャクロンのやり方:スプレー選びと剥がれ対策

編集長
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手順はメーカーの使用方法どおりに進めるのが近道です。スプレー缶は可燃性のガスを使うので、換気と火気にも気を配ってください。

ここからは、基本の手順、スプレーの選び方、サッシとホイールの注意点の順に説明します。

アルミ塗装スプレーのやり方の基本手順:足付け・脱脂・塗装の流れ

流れは、洗浄と脱脂、サビや古い塗膜の除去、ミッチャクロン、乾燥、上塗りの順です。ミッチャクロンマルチ自体はペーパー研ぎ不要(一部を除く)とされているため、足付けはサビや古い塗膜がある場合の作業と考えます。

1)洗浄・脱脂

塗る面の油分・汚れ・水分・ホコリを完全に取り除きます。アサヒペンのアルミ製品の塗り方では、ペイントうすめ液でよく拭いて乾かす方法が紹介されています。

2)サビ・古い塗膜の除去

白サビや青サビは、サンドペーパー(#240)やワイヤーブラシで落とします(アサヒペン HowTo)。亜鉛メッキの面は、ミッチャクロンのカタログで研磨しないよう指示されています。

3)ミッチャクロンを吹く

塗る面と平行に素早く往復させて薄く均一に1~2回吹きます(カタログはスプレーガンの場合に15~20cm程度離すよう示しており、エアゾールは缶の表示に従います)。エアゾール420mlで塗れる面積は約2~2.5㎡です。

4)乾燥させて上塗り

指で触れる程度に乾くまで約3分、上塗りできるまでは溶剤系で20~30分、水系で2時間程度が目安です(気温20℃・湿度60%)。上塗りは、その塗料の説明書に従って薄く塗り重ねます。

⚠️ 注意

スプレー缶は火気の近くで使わず、使用中と使用後は窓や出入り口を開けて換気してください。

NITEによると、2013年度から2018年11月までにスプレー缶による火災や破裂の事故が27件あり、うち22件が火災です。

スプレーのおすすめは?用途別の選び方

用途別に選ぶと、屋内外のアルミ製品はアルミ用スプレー、ホイールはホイール用塗料、好みの色を使いたいときはミッチャクロンと上塗り塗料の組み合わせです。

用途 製品例(メーカー公式の表示) 容量・塗れる面積 乾燥の目安
サッシ・門扉・フェンスアサヒペン カラーアルミスプレー(全8色・アルミに直接塗れる)300ml/2回塗りで0.6~0.9㎡夏期20~30分・冬期40~60分
ホイールソフト99 ホイールカラー(6色・アクリルラッカー)300ml2~3回塗り重ね、1回ごとに10分程度
好みの塗料で塗る下地染めQテクノロジィ ミッチャクロンマルチ(エアゾール)420ml/約2~2.5㎡上塗りまで20~30分(溶剤系)

ミッチャクロンの上に塗る塗料は、カタログの表で2液ウレタン塗料が◎、アクリルラッカー塗料が○です。アクリルエマルジョンと合成ペンキ(フタル酸エナメル)は△なので、水性塗料を重ねる場合は目立たない場所で試してください。

アルミサッシで失敗しないコツ:屋外耐久と注意点

アルミサッシで失敗しないコツ:屋外耐久と注意点

サッシは、養生と汚れ落としを先に済ませ、屋内外用のアルミ向け塗料を2回に分けて塗ります。アサヒペンのHowTo(玄関ドア・アルミサッシ・門扉など)の手順は次のとおりです。

順番 作業
1ゴミ・油分・サビ・カビ・ワックスを取り、ペイントうすめ液でよく拭いて乾かす
2白サビ・青サビをサンドペーパー(#240)やワイヤーブラシで落とす
3塗料が付いて困る部分をマスキングテープで覆う
4下塗り(同社はメタルプライマーを案内)を全体に塗って乾かす
5コーナーや細部から先に塗り、全体を上から下へ均一に塗る
6塗料が手に付かなくなったらマスキングテープを外す

ミッチャクロンを下塗りに使う場合、アルマイト加工品の評価は○です。屋外でクリヤーを重ねるときは、カタログが求めるとおり耐候性のよいものを選びます。

ホイール塗装、ミッチャクロンで下地を作るポイント:熱・汚れ対策

ホイール用塗料にはプライマーなしで塗れる製品があり、ミッチャクロンは一般の塗料をホイールに使いたいときの下地になります。

項目 メーカーの記載
下地ソフト99 ホイールカラーはプラサフ不要。耐水サンドペーパーで足付けして脱脂すれば、そのまま塗装できる(99工房Q&A)
足付けの番手ホルツは、アルミホイールにメタルクリアを使う場合に1000番程度の細かいサンドペーパーを案内
吹き方ホイールカラーは約15~25cm離し、薄めに2~3回。1回ごとに10分程度乾燥
乾燥ホルツのホイールペイントは表面乾燥が2時間くらい、完全乾燥は1週間くらい

塗る前に、塗る面のゴミ・油分・ワックス・サビをよく落とします。ミッチャクロンのカタログは用途に自動車パーツの電着処理面の塗り替えを挙げていますが、ブレーキの熱がかかる部位への適否は記載が見当たらないため、心配な場合はメーカーに問い合わせてください。

アルミ塗装を剥がれにくくする方法は?トップコートと乾燥管理

剥がれにくくするには、薄く塗り重ねることと、完全に乾くまで力をかけないことが基本です。乾燥の目安をメーカーの表示でまとめます。

管理すること 目安 出どころ
ミッチャクロンから上塗りまで溶剤系20~30分・水系2時間程度(20℃・湿度60%)染めQテクノロジィ
スプレーの塗り重ね間隔夏場約5分・冬場約10分99工房Q&A
完全乾燥ホイールペイントで1週間くらいホルツ
亜鉛メッキ面上塗り後1週間は無理な力を加えない染めQテクノロジィ

ミッチャクロンは時間の経過とともに密着力が上がるとされています。トップコートにクリヤーを塗る場合は耐候性のよいものを選び、上塗りと同じく薄く重ねてください。

まとめ:【アルミ塗装】ミッチャクロンで剥がれを防ぐ最終チェック

アルミ塗装でミッチャクロンを使うかどうかは上塗りの塗料で決まり、使う場合は薄く吹いて乾燥時間を守ることが剥がれ対策になります。

● アルミに直接塗れるスプレーやホイール用塗料なら、ミッチャクロンは不要

● 塗る面の油分・汚れ・水分・ホコリを完全に取り除いたか

● 薄く1~2回で、くぼみに溜めていないか

● 上塗りまで20~30分(溶剤系)・2時間(水系)待ったか

● 火気がなく、換気できる場所で作業しているか

作業の前に、使う塗料の缶とミッチャクロンのカタログで素材と上塗りの相性を確かめてください。