メガネフレームの塗装は、塗料が対応する素材で、外側の小さなはがれの補修なら自分でもできます。ただし肌に触れる部分には向かないため、店に頼んだ場合の料金と合わせて整理しました。

メガネフレームの色がはげてきました。自分でスプレー塗装して直せますか?

フレームがプライマーの対応素材(ABS・ナイロンなど)で、肌に触れない外側の小さなはがれなら、プラスチック用プライマーとスプレー塗料で補修できます(メッキ仕上げの金属フレームには適しません)。全体を塗り直したい場合は、店の再メッキ・再塗装(4,950円~)を先に検討してください。
📌 この記事でわかること
● 自分で塗ってよい場所と、塗らないほうがよい場所
● フレームの素材と、プライマー・塗料の対応素材
● 塗料の乾燥時間をふまえた作業手順
● JINS・眼鏡市場・メガネスーパー・パリミキの修理料金と日数
目次
メガネフレームの塗装を自分で行う前に知っておきたい基礎知識と注意点


塗装がうまくいくかどうかは、フレームの素材と、はがれている場所で決まります。塗料メーカーが公表している対応素材と、眼鏡店の取扱説明をもとに確認していきます。
フレームの見た目が悪くなる原因には、メッキや塗装のはがれと、プラスチックそのものの白濁の2種類があります。どちらなのかで直し方が変わります。
本当に自分でできる?
外側の小さなはがれを目立たなくする補修なら自分でできますが、全体を新品のように塗り直すのは難しい作業です。場所と状態ごとの判断を表にまとめました。
| こんな場合 | 判断 |
|---|---|
| つる(テンプル)の外側や角の小さなはがれ | 自分で補修しやすい |
| 鼻あて・耳にかかる部分など肌に触れる場所 | 塗らない(下の注意を参照) |
| ヒンジ(丁番)やネジのまわり | 塗らない(可動部に塗料が入り込むため) |
| 全体の色を変えたい・広い範囲がはがれている | 店の再メッキ・再塗装(4,950円~)を検討 |
| 購入から1年以内 | 先に購入店へ相談(眼鏡市場は受取日から1年の品質保証あり) |
⚠️ 注意
パリミキの取扱説明書は、表面層がはがれて素材が露出したまま使うとアレルギーを起こす場合があるとして、店舗での点検を勧めています。
肌に触れる箇所にかゆみ・かぶれ・湿疹が出たら、使用を中止して皮膚科を受診してください。
塗装剥がれが起こる主な原因
はがれの主な原因は、経年変化、高温、シンナー類での拭き取り、皮脂や汗の付着です。眼鏡店が公式に説明している内容は次のとおりです。
| 原因 | 眼鏡店の説明 | 対策 |
|---|---|---|
| 経年変化 | 表面層のはがれやひび割れ、素材の露出・変色が起こる可能性がある(パリミキ) | 1年を目安に店舗で点検を受ける |
| 高温(60℃以上)・急激な温度差 | 変形や、表面層のはがれ・ひび割れの原因になる(パリミキ) | 炎天下の車内や砂浜に放置しない |
| ベンジン・シンナーでの拭き取り | プラスチック部分や塗装部分の劣化・変色・変質の原因になる(パリミキ) | 汚れ取りに使わない |
| 皮脂・汗 | 蝶番の金具に付着して劣化が進む(眼鏡市場) | 軽く水洗いしてから拭く。週に1回は洗う |
自分で塗った塗膜も、熱やシンナー類には同じように弱いものとして扱ってください。
プラスチック素材の注意点

プラスチックフレームは、素材によってプライマー(下塗り)が使えないものがあります。アサヒペンの「プラスチック用プライマー」(スプレー)は、ポリプロピレン・ナイロン・ABS・FRP・硬質塩ビ・アクリル・PETなどの下塗り用です。
同じ製品の注意事項では、ポリエチレン・ポリスチレン・発泡スチロール・ポリアセタール・ポリカーボネート・メッキ面には適さないとされています。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| フレームの素材 | 購入店やメーカーの商品ページで確認する。アセテートやセルロイドは、上のプライマーの対応素材に名前が挙がっていない |
| メッキ仕上げのメタルフレーム | プライマーが「メッキ面には適しません」としているため、店の再メッキが向く |
| 白く濁っているだけのセルフレーム | 塗装ではなく磨きで直す修理がある(めがねミュージアム「クリーンナップ磨き修理」アセテート¥6,600~・6日~8日。税込・税抜の表記が混在しているため依頼時に確認) |
| セルロイド製 | 170℃で燃え出すため、ストーブなど火の近くに置かない(パリミキ) |
対応素材に入っている場合も、テンプルの内側の端など目立たない場所で試し塗りをしてから本番に進んでください。
マニキュアは使えるのか?
マニキュアは、外側の点のような欠けを一時的に隠す応急処置にとどめてください。眼鏡店の取扱説明書に、フレームへのマニキュアの使用を認める記載は見当たりません。
パリミキは、ベンジンやシンナー等がプラスチック部分や塗装部分の劣化・変色・変質の原因になるとしています。除光液も溶剤なので、塗り直しのたびにフレームへ使うのは避けたほうが無難です。
| こんな場合 | 判断 |
|---|---|
| 外側の点のような小さな欠け | 応急処置として使える |
| 鼻あて・耳にかかる部分 | 使わない(肌に触れるため) |
| 広い面・色の塗り替え | 向かない。店の修理を検討する |
JINSのフレームなら、塗装ハゲも工場修理(一律5,500円・税込)の対象です。
メガネのコーティングが剥がれる原因は何?
レンズのコーティングは、汗や整髪料などを付けたままにすることと、熱によってはがれます。パリミキの取扱説明書では、汗・果汁・油・ヘアスプレー・整髪剤・化粧品・薬剤が付いたままだと、コート膜が劣化してはがれる原因になるとしています。
付いたときは、中性洗剤を薄めた液で軽く洗い、水でよくすすいでから拭き取ります。同じ取扱説明書で禁止・注意とされているのは次の行為です。
● アルカリ性の洗剤(石けん・ハンドソープ・ボディソープ等)で洗う
● 炎天下の車内など、60℃以上になる場所に置く
● メガネをかけたままドライヤーを使う、ドライヤーやコンロで乾かす
● ゴミや砂が付いたまま、水洗いせずに拭く
レンズのコートのはがれは、フレームの塗装では直せません。フレームを塗るときは、レンズに塗料が付かないよう全面をマスキングしてください。
メガネフレームの塗装を自分で行う方法と業者との比較ポイント


ここからは、スプレーで補修する手順と、店に頼んだ場合の料金を並べて比べます。塗料の乾燥時間は製品ごとに決まっているので、時間に余裕のある日に作業してください。
手順で例に挙げる塗料は、アサヒペンの公式サイトに仕様が載っている2製品です。
スプレーで仕上げる手順
手順は「マスキング→洗浄→プライマー→色を2回塗り→乾燥」の順です。乾燥待ちの合計は、製品の乾燥時間を足すと夏期で2~3時間、冬期で3~6時間が目安になります。
例:アサヒペンのスプレー2製品(公式の製品情報)
| 製品 | 役割 | 適した素材 | 乾燥時間 |
|---|---|---|---|
| プラスチック用プライマー(スプレー・100ml/300ml) | 下塗り・透明・1回塗り | ポリプロピレン、ナイロン、ABS、FRP、硬質塩ビ、アクリル、PETなど | 夏期30~60分/冬期1~2時間 |
| 水性多用途スプレー(300ml/420ml・36色) | 上塗り・2回塗り | プラスチックはアクリル、硬質塩ビ、ABS、スチロール | 夏期40~50分/冬期1~2時間 |
手順1:塗らない部分をマスキングする
レンズ・ヒンジ・ネジ・鼻あて・耳にかかる部分をマスキングテープで覆います。レンズに付いた塗料は落とせないため、すき間なく貼ります。
手順2:汚れと油分を落とす
アサヒペンは下地処理として、塗る面のゴミや油分を取り除くよう案内しています。中性洗剤で洗って水ですすぎ、完全に乾かします。
手順3:プライマーを1回塗る
プライマーは透明の下塗り用で、標準は1回塗りです。夏期は30~60分、冬期は1~2時間乾かします。
手順4:色を2回に分けて塗る
水性多用途スプレーは2回塗りが標準で、1回で仕上げずに乾燥させてから2回目を塗ります。乾いたらマスキングをはがします。
⚠️ 注意
どちらの製品も、用途にメガネフレームは挙げられていません。肌に触れる部分には塗らないでください。
スプレー作業は換気のよい場所で行い、必要に応じてマスク・保護メガネ・手袋を使います。
料金はいくらかかる?
店に頼む場合の料金は4,950円~が目安で、JINSの自社フレームは一律5,500円(税込)です。自分で塗る場合にかかるのは、プライマーと上塗りスプレー各1本、マスキングテープの代金です。
| 店 | メニュー | 料金(税込) | 日数の目安 | 他店で買ったメガネ |
|---|---|---|---|---|
| JINS | 工場修理(フレームや金属の折れ、ヒビ、サビ、塗装ハゲ等) | 一律5,500円 | およそ3週間 | 不可 |
| メガネスーパー | 金属フレームのメッキはがれ:再メッキまたは再塗装(カラーチェンジ可) | 4,950円~ | 21日~ | 対応 |
| パリミキ | 単色再メッキ/二色再メッキ | 5,280円~/6,380円~ | 13~15日/15~17日 | 見積り無料(グループの修理会社オプトメイク福井の案内) |
| 眼鏡市場 | 店舗で状態を確認して修理方法を提案 | 再塗装の料金は公式サイトに見当たらない | ― | 相談可 |
メガネスーパーの再メッキは、金属フレーム向けのメニューです。各社とも料金は目安で、素材や状態によっては追加料金や修理不可になる場合があると注記しています。
眼鏡市場の対応事例
眼鏡市場は、他店で買ったメガネを含めて修理の相談を受け付けていますが、公式サイトに再塗装・再メッキの料金は載っていません。公式に説明されている対応は次のとおりです。
| 項目 | 眼鏡市場の公式の説明 |
|---|---|
| 修理の相談 | 一般的なメガネであれば修理できる。店舗で確認しながら最善策を提案(他店商品を含む) |
| 無料のアフターサービス | 視力チェック、クリーニング、型直し・掛け心地調整、ネジやパッドの交換(形状によっては有料) |
| 品質保証 | 受取日から1年以内の正常な使用で、品質に問題が認められる場合は無料交換・無料修理 |
| 品質保証の対象外 | 使用中に生じたレンズ・フレームなどのキズや外観の変化、お手入れ不足が原因と判断される場合 |
| 破損保証 | 受取日から1年以内の破損は、1回限り通常販売価格の半額で交換 |
色のはがれが品質の問題か、使用中に生じた外観の変化かは、店頭での判断になります。自分で塗る前に、購入日がわかるものを持って店舗で見てもらってください。
JINSでできること・できないこと

JINSは、自社フレームの塗装ハゲを工場修理(一律5,500円・税込)で受け付けていますが、他社フレームの修理は受け付けていません。
| 区分 | 内容(JINS公式のご利用ガイド) |
|---|---|
| 店頭で対応 | ねじ締め、鼻パッド・先セル交換、レンズ外れ、かたつきなどの調整 |
| 工場修理 | フレームや金属の折れ、ヒビ、サビ、塗装ハゲ等。一律5,500円(税込)・完了までおよそ3週間 |
| 受け付けていないもの | 他社フレームの修理。商品によっては承ることができない場合がある |
| 注意点 | 工場での確認後に修理不能となる場合、修理跡が残る場合、修理過程で傷がつく場合がある。一部有料のパーツがある |
オンラインショップでは修理を受け付けていないため、店舗に持ち込みます。自分で塗装したフレームを修理に出せるかどうかは公式サイトに記載がないので、塗る前に相談しておくと確実です。
JINSのよくある相談内容
修理についてJINSの公式FAQで確認できるのは、料金・日数・受付場所・他社フレームの扱いです。
| よくある質問 | JINS公式FAQの回答 |
|---|---|
| JINSフレームの修理はいくら? | 5,500円(税込) |
| 何日かかる? | 預かり後、2~3週間ほど |
| どこで頼める? | 店舗。オンラインショップでは修理を承っていない |
| 他社フレームは? | 修理は承っていない |
| 直らないことはある? | 破損箇所や状態によっては修理できない場合がある。修理跡が残る場合がある |
相談するときは、はがれた場所(外側・鼻あて付近・ヒンジ付近)と購入時期を伝えると、修理できるかどうかの確認が進めやすくなります。
まとめ:メガネフレームの塗装を自分で行う際の判断ポイント
メガネフレームを自分で塗装するかどうかは、はがれた場所と素材、店の修理料金を比べて決めます。
● 肌に触れる部分とヒンジまわりは塗らない
● プライマーの対応素材に、フレームの素材が入っているかを確認する
● 乾燥時間は、プライマーが夏期30~60分、上塗りが夏期40~50分
● 店の再メッキ・再塗装は4,950円~、JINSの自社フレームは一律5,500円(税込)
迷ったら、先に購入店で状態を見てもらってから判断してください。
📚 参考文献・出典
・JINS よくあるご質問 – JINSフレームを修理する場合の値段が知りたい。
・眼鏡市場 – よくあるご質問 修理・アフターサービスについて
・眼鏡市場 – メガネにも“寿命”があった!正しいケアと買い換えるタイミングをレクチャー
・オプトメイク福井 – 色が剥がれた!(再メッキ、再塗装、カラー変更)
※ 料金・日数は各社公式サイトの表示にもとづく目安です。フレームの素材や状態で変わるため、依頼前に店舗で見積りを確認してください。

