郵便ポストの塗り替えは、古い塗膜とサビを落としてから屋内外用の鉄部用塗料を塗れば、DIYで仕上げられます。乾燥時間や費用は、塗料メーカーの公式表示をもとに整理しました。

色あせた郵便ポストを自分で塗り替えたいのですが、素人でもムラや剥がれなく仕上げられますか?

仕上がりを左右するのは、塗る前の下地処理と、塗料に表示された乾燥時間を守ることです。鉄かステンレスかで必要な下塗りが変わるので、先にポストの素材を確認してください。
📌 この記事でわかること
● 塗り替えに必要な道具・材料と、公式通販で見た価格の目安
● サビたポスト・ステンレスポストで下地処理がどう変わるか
● スプレー塗装の手順と、火気・換気で守ること
● 塗料代から出す費用の目安と、外壁を自分で塗る場合の考え方
ポスト塗り替えDIYで失敗しない基礎知識と注意点


屋外のポストは雨と日光にさらされるため、屋内外用と表示された塗料を選ぶのが前提です。この章では道具・手順・素材別の注意点を、塗料メーカーの表示に沿って確認します。
例に使うのはアサヒペンの「油性高耐久鉄部用」シリーズです。ほかの塗料では、その製品の缶の表示を優先してください。
用意すべき道具と材料
必要なのは塗料・サンドペーパー(またはワイヤーブラシ)・マスキングテープ・養生シート・手袋とマスクで、刷毛で塗るなら刷毛が加わります。価格を公式通販で確認できたものは、下の表に金額を入れました。
| 品名 | 規格 | 価格(税込) | この作業での使い道 |
|---|---|---|---|
| 鉄部用スプレー塗料 | アサヒペン 油性高耐久鉄部用スプレー 300ml | 1,958円(アサヒペン公式通販の表示) | 1回塗りで1.1~1.3㎡ |
| 鉄部用塗料(刷毛塗り) | アサヒペン 油性高耐久鉄部用 1/12L | 957円(同上) | 1回塗りで0.7~0.9㎡ |
| 鉄部用塗料(刷毛塗り) | アサヒペン 油性高耐久鉄部用 1/5L | 1,903円(同上) | 1回塗りで1.7~2.3㎡ |
| 紙やすり | ダイソー 紙やすり(7枚)#60~#1000 | 110円(ダイソーネットストアの表示) | 古い塗膜・サビ落とし、塗装前の下地 |
| マスキングテープ・養生シート | ― | 店頭で確認 | 投函口・鍵・表札と周囲を覆う |
| 手袋・マスク・保護メガネ | 手袋はポリ手袋など塗料が浸透しないもの | 店頭で確認 | メーカーが使用を案内 |
道具選びの細かいポイント
刷毛は塗る場所で使い分けます。アサヒペンは、コーナーや塗りにくいところを先にすじかいバケで塗り、広い面はコテバケ・ローラーバケ・平バケを使うと速く楽に塗れると案内しています。
ダイソーの紙やすり(7枚)は、#240を「塗装前の下地など」、#1000を「塗装前の仕上げなど」の目安としています。
材料の品質と耐久性
塗料は、缶に書かれた「屋内外区分」と「適した場所」で選びます。油性高耐久鉄部用は屋内外用で、扉・フェンス・シャッターなど屋内外の鉄部・鉄製品のほか、アルミ建材やステンレス製品も用途に挙げられています。
樹脂製のポストは用途に書かれていないため、対応する塗料を別に探してください。
色塗り直しの手順とポイント
手順は「古い塗膜とサビを落とす→汚れと油分を取って乾かす→マスキング→塗る→テープをはがす」の5段階です。アサヒペンの塗装方法の案内も、この順番になっています。
下地処理の重要性
はがれかかった古い塗膜やポロポロと取れるサビは、皮スキ・ワイヤーブラシ・サンドペーパーで取り除きます。そのあとゴミや汚れ・カビを取って十分に乾かし、油分やワックスはペイントうすめ液で拭き取ります。
乾燥時間と重ね塗りの重要性
油性高耐久鉄部用の標準塗り回数は1回塗りです。塗り重ねる場合は、下の表の時間を空けます。
| 項目 | 夏期 | 冬期 |
|---|---|---|
| 乾燥時間(指で軽くこすって跡がつかない半硬化) | 1.5~2時間 | 5~6時間 |
| 塗り重ね時間の目安(刷毛塗りタイプの表示) | 4時間以上 | 8時間以上 |
乾燥が不十分なまま塗り重ねると、塗膜がシワ状に浮き上がることがあると注意書きにあります。スプレータイプの製品ページには塗り重ね時間の記載がないため、缶の表示を確認してください。
ペンキ塗り替え時の注意点とコツ

塗る日は、晴れて湿度が低く、寒すぎない日を選びます。アサヒペンは湿度65%以内・温度15~20℃の晴れた日が理想とし、水性塗料は5℃以下で塗ると簡単にはがれると案内しています。
油性高耐久鉄部用の注意事項では、雨の降りそうな日や湿度の高い日を避けること、結露する時期は午後3時までに塗り終えることが求められています。
⚠️ 注意
油性塗料は有機溶剤を含みます。火気のあるところでは塗らず、塗装中・乾燥中ともによく換気してください(アサヒペンの注意事項)。
塗り方のテクニック
厚塗りは避けます。メーカーのHowToによると、厚く塗りすぎると乾燥に時間がかかり、表面が縮んだりひび割れたりします。
一般の塗料は薄く塗って2~3回重ねるのが基本ですが、油性高耐久鉄部用のような1回塗りの塗料は、うすく塗りすぎると十分な効果が得られないと注意書きにあるため、缶に表示された塗り面積を守ってください。
夏場に乾きが速すぎて塗りにくいときは、ペイントうすめ液で10%以内にうすめます。
錆びたポストの塗装やステンレスポストの扱い方
サビた鉄製ポストは、ポロポロ取れるサビだけ落とせば、サビの上から塗れる塗料を使うとサビ止めの下塗りを省けます。ステンレスは、ステンレスに塗れると表示された塗料か、非鉄金属用の下塗りを使います。
| ポストの素材 | 下地処理 | 下塗り |
|---|---|---|
| サビた鉄 | 浮いたサビとはがれかかった塗膜を除去 | サビドメ兼用の塗料なら不要(油性高耐久鉄部用は「サビの上から直接塗れる」) |
| ステンレス | ゴミ・油分・ワックスを除去 | ステンレス対応の塗料を直接、またはメタルプライマーを1回塗り |
| アルミニウム・ブリキ | #600~1000のサンドペーパーで研磨 | メタルプライマーを1回塗り |
下地処理のポイント
隙間や穴がある場合は、鉄部補修材などで先に補修するよう案内されています。
ステンレスポスト特有の注意点
アサヒペンのメタルプライマーは、銅・真ちゅう・アルミニウム・ステンレス・メッキ・ブリキなどの下塗り用で、下塗りすることで塗料が密着するようになります。乾燥時間は夏期15~20分・冬期30~40分で、上にはラッカー・油性塗料・水性塗料を塗れます。
塗り面積は100mlで0.5~0.6㎡、300mlで1.5~1.8㎡です。
郵便ポスト、リメイクシートで手軽にデザイン変更する方法
リメイクシートは貼るだけで柄を変えられますが、屋外のポストに使えるかどうかは商品の注意書きで決まります。ダイソーのリメイクシート(30cm×90cm・塩化ビニル樹脂・税込110円)は、注意書きに「屋外で使用しないでください」「水で濡らさないでください」とあります。
そのため、雨の当たる屋外ポストには屋外用と明記されたシートを選ぶか、塗装に切り替えてください。玄関の内側にある受け箱のように、濡れず直射日光も当たらない場所に限って検討できます。
リメイクシート活用のメリット
塗料と違って乾燥待ちがなく、養生や用具洗いも要りません。
リメイクシート施工時の注意点
ダイソーの貼り方は、貼る面のホコリ・油分・水分を拭き取る、位置を確認してはさみで切る、はくり紙をはがしてよれないように貼る、ローラーなどで圧着する、の順です。角を丸く切るとはがれにくくなります。
ザラザラした面や凹凸面には貼れず、はがすときに糊が残る場合があるとも書かれています。原状回復が必要な賃貸の備え付けポストには向きません。
ポスト塗り替えDIYの実践方法と費用目安


スプレーは刷毛跡が出にくい反面、可燃性ガスを使う製品が多く、火気と換気の管理が欠かせません。費用は、塗料の容量と塗る面積から逆算すると無駄が出にくくなります。
スプレーでの塗り方、費用の出し方、準備の流れを順に確認します。
スプレーを使った簡単DIY手順
スプレー塗装の基本は、30秒以上振る・30cmほど離す・同じ所に吹き続けないの3つです。アサヒペンのHowToに書かれている使い方を、作業順に並べました。
塗装の順序とテクニック
| 順番 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 下地処理 | サビと古い塗膜を落とし、汚れを拭いて乾かす |
| 2 | 養生 | 投函口・鍵・表札と周囲を、マスキングテープと養生シートで覆う |
| 3 | 缶を振る | かくはん球の音が聞こえてから30秒以上 |
| 4 | 吹き付ける | 噴射口を面に直角に向け、30cmほど離す。近づけ過ぎるとタレる |
| 5 | 乾かす | 夏期1.5~2時間・冬期5~6時間(油性高耐久鉄部用スプレー) |
乾燥と重ね塗りのポイント
作業は屋外の風が弱い日に行います。NITE(製品評価技術基盤機構)によると、スプレー缶の噴射ガスの多くは可燃性ガスで、2013年度から2018年度(11月30日まで)に火災や破裂に至った事故が27件報告されています。
⚠️ 注意
火気のある場所の近くでは使わないでください。ガスに引火して急激に燃え広がるおそれがあります。
使用時・使用後は十分に換気し、換気が終わるまでライターや火花が出る機器(ガスこんろ・換気扇・掃除機など)を使わないでください。
捨てるときは、屋外の風通しのよい場所で中身を出し切り、自治体の指示に従ってください。
費用の目安と節約のポイント
塗料代は、スプレー300mlが1,958円、刷毛塗りの1/12L缶が957円です(いずれも税込・アサヒペン公式通販の表示)。これに紙やすり・マスキングテープ・刷毛などの小物代が加わります。
必要な量は面積から計算します。たとえば幅40cm×高さ30cm×奥行15cmの箱型ポストなら、外側6面の合計は約0.45㎡です。
この大きさなら、スプレー300ml(1.1~1.3㎡)でも1/12L缶(0.7~0.9㎡)でも1回塗りに足ります。
節約方法の具体例
| こんな場合 | 選び方 |
|---|---|
| ポスト1台だけを塗る | 1/12L缶(957円)が塗料代は最も安い。刷毛と用具洗い用のうすめ液が別に必要 |
| 刷毛や用具洗いを省きたい | スプレー300ml(1,958円)。塗装用具は不要 |
| 門扉やフェンスも一緒に塗る | 1/5L缶(1,903円・1.7~2.3㎡)。スプレーとほぼ同じ価格で塗れる面積が広い |
塗装をDIYでするには何が必要?準備の流れを解説

準備は「素材を確かめる→塗料を選ぶ→天気を見る→下地処理→養生」の順に進めます。塗料選びは、次の分岐で判断してください。
準備段階での重要ポイント
| ポストの状態 | 準備するもの |
|---|---|
| 鉄製でサビがある | サビの上から塗れる鉄部用塗料、ワイヤーブラシ |
| ステンレス・アルミ製 | 対応表示のある塗料、または非鉄金属用プライマーと上塗り塗料 |
| 素材が分からない・樹脂製 | ポストのメーカー名と品番を控え、取扱説明書で素材を確認 |
| 賃貸・集合住宅の備え付け | 自分の所有物ではないため、塗る前に管理会社や大家へ確認 |
段取りを効率化するポイント
当日の流れは乾燥時間から逆算します。結露する時期は午後3時までに塗り終える条件があるため、下地処理と養生は前日までに済ませてください。
マスキングテープは、塗料が手につかなくなったらはがします。
ペンキをきれいに塗るためのコツとテクニック
刷毛塗りは、隅や塗りにくい所を先に塗り、広い面をあとから塗るとムラが出にくくなります。うまくいかないときは、下の表で原因を確かめてください。
| よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 塗膜がシワ状に浮く | 乾燥が不十分なまま塗り重ねた | 塗り重ね時間(夏期4時間以上・冬期8時間以上)を守る |
| 表面が縮む・ひび割れる | 厚く塗りすぎた | 缶に表示された塗り回数と塗り面積を守る |
| すぐにはげる・凹凸が出る | 古い塗膜・汚れ・サビを残した | 下地調整をやり直す |
| スプレーがタレる | 噴射口を近づけ過ぎた | 30cmほど離し、同じ所に吹き続けない |
塗り方をさらに美しくするポイント
重ね塗りの前に、下の塗料が乾いているかを確かめます。メーカーのHowToでは、指で押して指紋が付かないことが目安とされ、あわせて缶に表示された塗り重ね時間を確認するよう案内されています。
外壁塗装をDIYでやるといくらくらいかかる?費用比較
外壁を自分で塗る場合の塗料代は、塗料の「塗り面積」表示から必要な量を出して計算します。アサヒペンの水性シリコンアクリル外かべ用(2回塗り)の表示は次のとおりです。
| 容量 | 吸い込みが少なく平滑な壁 | 吸い込みが多い凹凸の大きい壁 |
|---|---|---|
| 3kg | 14~19㎡ | 5~6㎡ |
| 8kg | 38~51㎡ | 13~16㎡ |
| 16kg | 76~102㎡ | 26~32㎡ |
同じ16kgでも、壁の凹凸によって塗れる面積が3倍ほど変わります。必要な缶数を出してから、店頭や通販で価格を見積もってください。
費用比較と節約の工夫
外壁はポストと違い、はしごや脚立に乗る高所作業になります。NITEによると、はしご・脚立の事故は2010年度から2019年度の10年間に398件あり、死亡事故3件、重傷事故154件が含まれます。
傾斜のある場所で使わない、はしごの作業には補助者を付ける、脚立の天板をまたがないといった基本を守れない高さは、業者に任せてください。
まとめ:ポスト塗り替えDIYで失敗しない方法と費用の目安

ポスト塗り替えDIYは、素材に合った塗料を選び、下地処理と乾燥時間を守ることで失敗を減らせます。要点は次の4つです。
● 古い塗膜とポロポロ取れるサビを落とし、汚れと油分を取って乾かしてから塗る
● ステンレス・アルミは、対応表示のある塗料か非鉄金属用プライマーを使う
● スプレーは30cmほど離し、火気のない屋外で換気しながら使う
● 費用はポストの面積と塗料の塗り面積表示から計算する
まずはポストの素材と縦・横・奥行を確認し、必要な塗料の量を出すところから始めてください。

