100均の塗料でもプラスチックは塗れますが、塗れる素材は商品ごとに決まっています。ダイソー公式ネットストアの表示と塗料メーカーの資料をもとに整理しました。

100均の塗料でプラスチックを塗っても、すぐ剥がれませんか?

まず材質表示を見て、使う塗料の「塗れる物」に入っているかを確かめましょう。ポリエチレンのように塗料が向かない素材もあるので、下地処理と乾燥時間も表示どおりに守るのが基本です。
📌 この記事でわかること
● プラスチックの種類ごとの塗りやすさの違い
● ダイソーの塗料・プライマー・スプレーの規格と対応素材
● 水性塗料と油性スプレーの使い分け
● スプレー塗装の火気・換気の注意点
● 剥がれる原因と対策
プラスチック塗装で100均は可能?基礎知識と注意点を解説


最初に、塗る物の材質と100均の塗料が対応している素材を照らし合わせます。ここを飛ばすと、手順を守っても剥がれやすくなります。
素材の見分け方、道具、塗料、プライマーの順に確認していきます。
プラスチックは塗装できる?素材ごとの基本的な考え方
プラスチックは塗装できますが、塗料が対応している素材かどうかで結果が変わります。下の表は、ダイソーのラッカースプレーと、塗料メーカーのアサヒペンが出すプラスチック用プライマー(塗料の密着をよくする下塗り剤)の対応素材を8種類並べたものです。
| 素材 | ダイソー ラッカースプレー | アサヒペン プラスチック用プライマー |
|---|---|---|
| ABS | 塗れる物に記載 | 適する |
| アクリル | 塗れる物に記載 | 適する |
| 硬質塩ビ | 塗れる物に記載 | 適する |
| ポリプロピレン(PP) | 記載なし(上記以外は塗れない物) | 適する(ペイントうすめ液で拭く下地処理が必要) |
| ポリエチレン(PE) | 記載なし(上記以外は塗れない物) | 適さない |
| ポリスチレン(PS) | 記載なし(上記以外は塗れない物) | 適さない |
| 発泡スチロール | 塗れない物に記載 | 適さない |
| ポリカーボネート | 記載なし(上記以外は塗れない物) | 適さない |
材質は製品の裏や底、ラベルの表示で確認します。バケツや洗面器などは、消費者庁の合成樹脂加工品品質表示規程で原料樹脂の表示対象です。
たとえばダイソーの「丈夫なフタ付コンテナボックス」は本体がポリプロピレンで、同社のラッカースプレーの「塗れる物」に入りません。表示が見つからない物は、目立たない場所で試し塗りをしてから全体に進めてください。
100均の商品はどこまで使える?特徴と限界
塗料・プライマー・スプレーはダイソーで揃いますが、商品ごとに塗れる物と用途の制限があります。公式ネットストアで確認できた主な商品は次のとおりです。
| 商品 | 価格(税込・公式ネットストアの表示) | 主な表示 |
|---|---|---|
| 水性塗料(プライマー 透明) | 110円 | 塗り面積 約0.3㎡(1回塗り) |
| 水性塗料(多用途ペイント) | 110円 | 正味量50ml・塗り面積 約0.5㎡(1回塗り) |
| ラッカースプレー(マットブラック) | 220円 | 油性・ツヤなし・塗り面積0.3~0.6㎡ |
| アクリル絵の具(ピンク) | 110円 | 乾くと耐水性 |
水性塗料(多用途ペイント)は、床・壁面・テーブル類・棚板類や、絶えず水がかかる場所には適さないと表示されています。ラッカースプレーは、玩具や食品に直接触れる物を「塗れない物」に挙げています。
何で塗る?失敗しにくい道具選び

道具は「下地処理」「養生」「保護具」の3つに分けて揃えます。それぞれ、商品の注意書きに書かれている作業に合わせて選ぶと無駄がありません。
● 下地処理:中性洗剤・布・サンドペーパー(つるつるした面は#290くらいで荒らすとダイソーの水性塗料に表示)
● PPの下地:ペイントうすめ液で拭く(アサヒペン)
● 養生:新聞紙・マスキングテープ(スプレーは飛び散るとダイソーのラッカースプレーに表示)
● 保護具:必要に応じてマスク・保護メガネ・手袋(アサヒペン)
プラスチックに塗れる塗料はある?水性と油性の違い
ダイソーの水性塗料と油性のラッカースプレーは、塗れるプラスチックの表示が違います。選ぶ前に、塗りたい物が表示に入っているかを見比べてください。
| 項目 | 水性塗料(多用途ペイント) | ラッカースプレー(油性) |
|---|---|---|
| 塗れる物の表示 | 屋内外の木工品、工作・ホビー用品、屋内木部、アクリル板、セラミック、発泡スチロール | 鉄、木、コンクリート、スレート、アルミ、プラスチック(ABS、アクリル、硬質塩化ビニル) |
| 乾燥・重ね塗り | 重ね塗りは2時間以上(冬季6時間以上)あける | 乾燥時間 夏40~50分・冬60~120分 |
| 塗りにくいとき | プライマー(別売り)を使う | 目立たない部分で密着性などを試してから塗る |
迷ったら、ABS・硬質塩ビならスプレー、アクリル板ならどちらも候補、発泡スチロールなら水性塗料という分け方が表示に沿った選び方です。
プラスチック用プライマーは百均で代用できる?
ダイソーには水性のプライマー(透明・110円)があるため、代用品を探す必要はありません。塗れる物には「硬質プラスチック全般」が含まれますが、ポリプロピレンが入るかまでは書かれていないため試し塗りが必要です。
表示には「下塗りとして水性塗料がのりにくい素材との密着性を向上させます」とあり、上に水性塗料を塗る使い方を想定しています。ラッカーや油性塗料を重ねたいときは、上塗りにラッカー・油性塗料・水性塗料を使えるとしているアサヒペンのプラスチック用プライマー(100ml・300ml)が選択肢になります。
なお、ポリエチレンはアサヒペンのプライマーでも「適さない」素材です。
【プラスチック塗装】100均で仕上げる方法とおすすめ商品


ここからは、塗装ペン・スプレー・アクリル絵の具・水性塗料・プライマーの使い方を、商品の表示に沿って確認します。
どの塗料も、塗る前の汚れ落としと試し塗りは共通です。
プラスチック塗装ペン、100均商品は細かい部分に使える?
100均のペン型の塗料は、線や小さな補修に向いた道具です。ダイソーのペイントマーカーは油性染料インクで110円、アクリルマーカーは水性インクの2本入りで110円です(いずれも税込・公式ネットストアの表示)。
どちらの商品ページにも、対応するプラスチックの種類は書かれていません。目立たない場所で試してから使い、広い面はスプレーや筆塗りの塗料に任せましょう。
アクリルマーカーは、使う前にキャップを閉めたままよく振るよう案内されています。
プラスチック塗装スプレー、100均の仕上がりを検証
ダイソーのラッカースプレー(220円)は、ABS・アクリル・硬質塩ビに使えます。編集部が塗り比べた結果ではなく、商品ページの使用方法をまとめると次の3段階です。
① よく振って10~20cm離す
容器を上下に約30秒振り、塗る面から10~20cm離して吹き付けます。容器を横向きや逆さまにして使うと、ガスが抜けて最後まで噴射できなくなります。
② 薄く2~3回重ねる
一度に厚塗りせず、塗る面と平行に動かしながら2~3回くらい重ね塗りします。塗りにくい所から始め、目立つ所を最後に塗るよう案内されています。
③ 使用後は空吹きする
容器を逆さにして2~3秒空吹きし、噴射口を拭いてからキャップを閉めます。
⚠️ 注意
NITE(製品評価技術基盤機構)には、2013年度~2018年度(11月30日まで)に、屋外で使用中のスプレー缶による火災や破裂の事故が27件報告されています(2018年12月の公表)。
可燃性ガスを含むスプレー缶は火気の近くで使わず、使用後は換気が終わるまでライターや火花が出る機器を使わないよう呼びかけています。
捨てるときは屋外の風通しのよい場所で中身を出し切るよう案内されています。
ダイソーのアクリル絵の具はプラスチックに使える?

ダイソーのアクリル絵の具は、商品ページにプラスチックへの対応が書かれていないため、試し塗りしてから使う画材です。商品説明は「乾くと耐水性になり、厚塗り、重ね塗りができる」で、価格は110円(税込・公式ネットストアの表示)です。
塗料と違って密着性の表示がないため、下にダイソーの水性プライマーを塗り、擦れる場所には使わないのが無難です。注意書きでは、木製パレットは乾くと色が浸透するため紙かPP製のパレットを使うよう案内しています。
ダイソー水性塗料はプラスチックに定着するのか
ダイソーの水性塗料(多用途ペイント)が塗れる物として挙げているプラスチックは、アクリル板です。それ以外の素材や塗料がのりにくい面には、プライマー(別売り)を使うよう表示されています。
| 手順 | 商品ページの表示 |
|---|---|
| 汚れを落とす | 塗る面のゴミ・油分・錆・カビ・ワックスなどを取り除く |
| 表面を荒らす | つるつるした面はサンドペーパー(#290くらい)で荒らす |
| 混ぜる・薄める | よく振る。塗りにくいときは水で5%以内に薄める |
| 重ね塗り | 2時間以上(冬季6時間以上)おいてから |
| 塗らない条件 | 5℃以下のときは塗らない |
屋外で長時間使う物は、トップコート(別売り)を重ねるよう書かれています。
ダイソープライマースプレーの特徴と使いどころ
ダイソー公式ネットストアで確認できたプライマーは、筆塗りの水性タイプ(透明)です。スプレーで下地を作りたい場合は、アサヒペンのプラスチック用プライマーのスプレータイプが該当します。
| 項目 | ダイソー 水性塗料(プライマー 透明) | アサヒペン プラスチック用プライマー |
|---|---|---|
| 塗り方 | 筆塗り | スプレー |
| 塗れる物 | ステンレス、ブリキ、紙、セラミック、銅、真鍮、鉄製品、木、硬質プラスチック全般 | ポリプロピレン、ナイロン、ABS、FRP、硬質塩ビ、アクリル、PETなど |
| 乾燥時間 | 30分~1時間(夏季)・2~3時間(冬季) | 夏期30~60分・冬期1~2時間 |
| 色 | 乳白色で、乾燥後は透明 | — |
ダイソーのプライマーは原液で使い、塗りにくいときだけ5%以内の水で薄めます。乳白色が透明になったのを確かめてから上塗りに進みましょう。
ダイソープライマーは剥がれる?よくある失敗例
ダイソーのプライマーを使っても、素材や手順が表示と合わなければ剥がれます。よくある失敗を、商品の表示と照らし合わせて整理しました。
| よくある失敗 | 原因 | 対策(根拠となる表示) |
|---|---|---|
| 塗ってすぐ剥がれる | 対象外の素材 | 材質を確認する。ポリエチレンはアサヒペンのプライマーでも適さない |
| 上塗りがはじく | 油分・ワックスが残っている | 塗る前に汚れ・油分・ワックスを取り除く(ダイソー) |
| 層ごと剥がれる | 乾く前に上塗りした | 2時間(冬季は6時間)以上おいてから上塗り(ダイソー) |
| ムラ・タレが出る | 厚塗り | 厚塗りせず、乾燥後に重ね塗りする(ダイソー) |
| 冬に乾かない | 低温 | 5℃以下の気温では塗装しない(ダイソー) |
プライマーの表示にも「目立たない部分で必ず試し塗りをしてから使用してください」とあります。
まとめ:【プラスチック塗装】100均で失敗しないためのポイント
100均でのプラスチック塗装は、材質と塗料の表示を合わせれば失敗を減らせます。
● 材質表示を見て、塗料の「塗れる物」に入っているか確かめる
● ポリエチレンなど対象外の素材は塗装を避ける
● 汚れ・油分を落とし、つるつるした面は荒らしてから塗る
● 重ね塗りは表示の時間(水性は2時間以上)をあける
● スプレーは火気を避け、換気が終わるまで火を使わない
まずは小さな物で試し塗りをしてから、本番の塗装に進みましょう。
📚 参考文献・出典
・ダイソーネットストア – 水性塗料(多用途ペイント、ランプブラック)
・ダイソーネットストア – ラッカースプレー(マットブラック)
・ダイソーネットストア – アクリルマーカー(ベーシックカラー)
・NITE – スプレー缶で思わぬ事故が発生しています(2018年12月)
※ 製品の仕様・数値は各メーカーの公式資料の記載にもとづきます。製品の改良で変わることがあるため、購入時はパッケージの表示も確認してください。

