キッチンやトイレのタイルが古く見えてきて、「張り替えたいけど工事は大変そう」「できればDIYで手軽にきれいにしたい」と悩んでいませんか。タイルにリメイクシートを貼る方法が気になっても、本当に貼れるのか、すぐ剥がれないのか、失敗しないか不安に感じる方は多いはずです。
結論から言うと、正しい種類を選び、手順と注意点を押さえれば、タイルにリメイクシートを貼ることは可能で、見た目も大きく改善できます。ただし、場所や下地の状態を間違えると、浮きや剥がれ、カビなどのトラブルにつながるリスクもあります。
何となく貼ってしまうと「キッチンで熱に負けた」「トイレの湿気で剥がれた」「賃貸なのに跡が残った」といった失敗を招きやすいのも事実です。
この記事では、タイルにリメイクシートを貼る方法を基礎から丁寧に解説し、貼れる場所・貼れない場所、キッチンやトイレでの注意点、初心者でも失敗しにくい貼り方まで分かりやすくまとめています。事前に知っておくべきポイントを押さえることで、後悔のないDIYができるようになります。
📌 この記事のポイント
- タイルにリメイクシートを貼る方法と、事前に確認すべき基本知識が分かる
- キッチン・トイレ・賃貸など、場所ごとの注意点を理解できる
- 貼ってはいけない場所や、失敗しやすい原因を事前に回避できる
- 初心者でも実践しやすい貼り方と、デメリットまで把握できる
タイルにリメイクシートを貼る方法を基礎から解説!選び方と貼れない場所の注意点

タイルにリメイクシートを貼る方法を考えるうえで、まず大切なのは「そもそもどんな場所なら使えるのか」「本当にタイルの上から貼って問題ないのか」を正しく理解することです。ここを曖昧なまま進めてしまうと、貼った直後はきれいでも、数週間から数か月で剥がれたり浮いたりして後悔する原因になります。以下では、リメイクシートの基本的な使いどころと、タイルとの相性について、初めての方にも分かりやすく整理していきます。
タイルリメイクシートはどんな場所に使える?
タイルリメイクシートは、条件さえ合えばさまざまな場所で活用できます。結論として、平らで比較的水はねや高温の影響が少ないタイル面であれば、見た目を大きく変える手段として十分に実用的です。特にDIY初心者にとっては、工事不要で雰囲気を変えられる点が大きな魅力と言えます。
理由として、現在販売されているリメイクシートの多くは、塩化ビニル樹脂などを素材とし、粘着力と耐水性をある程度備えているからです。完全な防水や耐熱をうたうものではないものの、日常生活レベルの水気や湿度であれば問題なく使える設計になっています。国土交通省が示す住宅の維持管理に関する資料でも、水回りの仕上げ材は「用途に応じた耐水性・清掃性が重要」とされており、軽微な模様替えであれば表面仕上げの変更は許容されるケースが多いとされています。つまり、適材適所で使えば、タイルリメイクシートは現実的な選択肢だと言えます。
実際によく使われている場所としては、次のようなケースが挙げられます。
- キッチンのコンロから少し離れた壁面タイル
- 洗面台まわりの立ち上がり部分
- トイレの腰高位置の装飾タイル
- 玄関や廊下の装飾用タイル壁
これらの場所に共通しているのは、直接高温にさらされにくく、常に水が流れ続ける環境ではない点です。たとえばキッチンでも、シンク正面の壁であれば水はねはありますが、常時濡れているわけではありません。そのため、耐水性のあるリメイクシートを選び、しっかりと下地処理を行えば、見た目のリフレッシュとして十分に機能します。
一方で、床面への使用は注意が必要です。タイルリメイクシートは基本的に壁用として設計されているものが多く、踏みつけや摩擦に弱い傾向があります。床に貼ると、数日で端がめくれたり、破れたりする可能性が高くなります。床用として使いたい場合は、専用のフロアシートやクッションフロアを選ぶ方が安全です。
このように、タイルリメイクシートは「どこでも万能に使えるもの」ではありませんが、使える場所を見極めれば、コストを抑えつつ空間の印象を大きく変えることができます。貼る前に場所の環境をよく観察することが、失敗を防ぐ第一歩になります。
タイルの上からリメイクシートを貼るのは可能?
タイルの上から直接リメイクシートを貼ることは可能です。ただし、すべてのタイルに問題なく貼れるわけではなく、タイルの状態によって仕上がりや耐久性に大きな差が出ます。結論としては、表面が平滑で、目地の凹凸が浅いタイルであれば、比較的きれいに貼ることができます。
このように言える理由は、リメイクシートの粘着面が「面」で密着する構造になっているからです。タイル自体は硬く安定した下地ですが、問題になるのが目地部分です。目地が深い場合、シートがその溝に沈み込み、時間が経つにつれて凹凸が浮き出たり、空気が入りやすくなったりします。これは施工不良ではなく、素材の特性によるものです。
住宅の内装仕上げに関する公的な指針でも、仕上げ材の上に別の仕上げ材を重ねる場合は「下地の平滑性」が重要であるとされています。つまり、タイルの上に何かを貼る場合、そのタイルが実質的に「下地」として機能するかどうかが判断基準になります。
実際の施工例では、次のような条件を満たしていると成功しやすい傾向があります。
- タイル表面に大きな凹凸や欠けがない
- 目地が浅く、幅も狭い
- 油汚れや水垢がしっかり除去されている
- 完全に乾燥した状態で施工している
たとえば、築年数が比較的新しい住宅のタイルは、目地がフラットに近いことが多く、そのままリメイクシートを貼っても違和感が出にくいケースがあります。一方、古い住宅のタイルでは、目地が深く、表面に細かな凹凸が残っていることがあり、そのまま貼ると見た目が悪くなりがちです。
こうした場合の対処法として、目地を埋める下地処理を行う方法もあります。パテや目地補修材を使って凹凸をならし、完全に乾燥させたうえでシートを貼ることで、仕上がりを改善できます。ただし、この工程を省くと、施工直後は問題なく見えても、数週間後に浮きや剥がれが発生するリスクが高まります。
また、タイルの素材にも注意が必要です。表面が強く撥水加工されているタイルや、ガラス質で極端にツルツルしているものは、粘着力が十分に発揮されないことがあります。その場合、粘着力が強化されたタイプのリメイクシートを選ぶか、プライマーを併用するなどの工夫が必要になります。
まとめると、タイルの上からリメイクシートを貼ること自体は可能ですが、「どんなタイルでも大丈夫」と考えるのは危険です。タイルの状態、目地の深さ、表面の汚れや素材を事前に確認し、それに合った準備を行うことが、長持ちさせるための重要なポイントになります。こうした基礎を押さえておくことで、見た目だけでなく、使い続けられる仕上がりを実現できます。
賃貸でも大丈夫?

賃貸住宅でもタイルにリメイクシートを貼ることは可能です。ただし、何も考えずに貼ってしまうと、退去時に原状回復が必要になり、思わぬ費用が発生する可能性があります。そのため、賃貸で使う場合は「元に戻せるかどうか」を最優先で考えることが大切です。
このように注意が必要な理由は、賃貸物件では国土交通省が示している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づき、借主には原則として入居時の状態に戻す義務があるとされているからです。このガイドラインでは、通常の生活による経年劣化は貸主負担とされていますが、借主の判断で行った模様替えや改装による損傷は、借主負担になるケースが多いと明記されています。つまり、リメイクシートを貼ったことでタイル表面が傷んだり、粘着剤が残ったりすると、原状回復費用を請求される可能性があるということです。
ただし、すべてのリメイクシートが危険というわけではありません。近年は「賃貸OK」「剥がせるタイプ」と表示された商品も多く販売されています。これらは、粘着力をあえて弱めに設計していたり、再剥離可能な糊を使っていたりするため、正しく使えば跡が残りにくいのが特徴です。
実際の使用例としては、次のような条件を守ることでトラブルを避けている方が多く見られます。
- 必ず「再剥離タイプ」「賃貸対応」と明記された商品を選ぶ
- 入居前や貼る前に、管理会社や大家に確認を取る
- 目立たない場所で試し貼りを行い、剥がれ具合を確認する
- 長期間貼りっぱなしにせず、定期的に状態を確認する
例えば、洗面所のタイルに貼ったリメイクシートを数か月後に剥がしたところ、問題なく元に戻せたというケースがあります。一方で、安価な強粘着タイプを数年間貼り続けた結果、剥がす際にタイル表面のコーティングまで一緒に剥がれてしまい、修繕費を請求された例もあります。この差は、商品選びと使用期間、事前確認の有無によって生まれています。
賃貸で安心して使うためには、見た目の良さだけで選ばず、「剥がした後どうなるか」を必ず想定することが重要です。条件を守れば、賃貸でもリメイクシートを使って空間の印象を変えることは十分可能です。
シートの種類と耐久性の違い
タイルに使えるリメイクシートにはいくつかの種類があり、それぞれ耐久性や向いている場所が異なります。結論として、貼る場所の環境に合った種類を選ばないと、短期間で剥がれたり劣化したりする原因になります。
この違いが生まれる理由は、素材や粘着剤の性質、表面加工の方法が商品ごとに異なるためです。見た目が似ていても、耐水性や耐熱性、厚みには大きな差があります。特に水回りで使用する場合は、この違いを理解しておくことが重要です。
主なリメイクシートの種類と特徴は、以下のように整理できます。
| 種類 | 特徴 | 向いている場所 |
|---|---|---|
| 塩化ビニル製 | 耐水性があり、種類が豊富 | キッチン壁、洗面所 |
| アルミ・金属調 | 耐熱性が比較的高い | コンロ周辺(距離がある場合) |
| 布・紙系 | 質感は良いが水に弱い | 装飾用の壁面 |
| 再剥離タイプ | 剥がしやすいが粘着力は弱め | 賃貸全般 |
国や公共団体が出している住宅関連の資料でも、水回りの内装材には「耐水性・防汚性・清掃性」が重要とされています。これは、湿気や汚れが素材の劣化を早めるためです。つまり、耐久性の低い素材を水回りに使うと、早期に問題が起こるのは自然なことだと言えます。
実際の体験談として、キッチンのタイルに紙系のリメイクシートを貼ったところ、数週間で端から浮いてしまったという例があります。一方で、塩化ビニル製の耐水タイプを使った場合は、半年以上経っても大きなトラブルなく使えているケースも多く見られます。
耐久性を重視する場合は、以下のポイントを確認すると失敗しにくくなります。
- 「耐水」「防水」と明記されているか
- 使用可能な温度範囲が記載されているか
- レビューで剥がれやすさが指摘されていないか
このように、リメイクシートは種類によって性能が大きく異なります。見た目や価格だけで選ばず、使用環境に合った耐久性を持つものを選ぶことが、長持ちさせるための重要なポイントです。
リメイクシートを貼ってはいけない場所は?
リメイクシートは便利なアイテムですが、どんな場所にも使えるわけではありません。結論として、高温・常時水濡れ・強い摩擦が発生する場所には貼らない方が安全です。
その理由は、リメイクシートの多くが「装飾用の表面材」として作られており、建材そのものの耐久性までは備えていないからです。特に熱や水、物理的な力が加わる環境では、劣化が一気に進む傾向があります。
貼ってはいけない、または注意が必要な場所として、次のような例が挙げられます。
- コンロ直近のタイル(高温になる場所)
- 浴室内の壁や床(常時湿気と水にさらされる)
- 床タイルや階段(踏みつけや摩擦が強い)
- 屋外や直射日光が当たる場所
例えば、浴室のタイルにリメイクシートを貼ると、湿気が内部にこもり、カビの発生や粘着剤の劣化につながる可能性があります。これは見た目では分かりにくく、剥がしたときに初めて問題に気付くケースが多いです。
また、コンロ周辺では、耐熱と書かれていないシートを使うと、熱で変形したり、剥がれて垂れ下がったりする危険があります。消防庁の資料でも、キッチン周りでは可燃性素材の使用に注意するよう呼びかけられており、安全面から見ても避けるべき場所だと言えます。
実際に失敗した例として、床タイルに貼ったリメイクシートが数日で破れ、滑りやすくなってしまったケースがあります。このような使い方は、見た目だけでなく安全面でも問題があります。
リメイクシートは「簡単に貼れる」反面、「用途を間違えると危険になる」素材でもあります。貼る前に、その場所がどのような環境かを冷静に考え、適さない場所には使わない判断も大切です。正しく使えば便利なアイテムだからこそ、使わない選択を含めて検討することが、失敗しないリフォームにつながります。
タイルにリメイクシートを貼る方法と手順!キッチンやトイレでも使える実践ガイド

ここからは、実際にタイルにリメイクシートを貼る場面を想定しながら、初心者でも失敗しにくい方法や、場所ごとの考え方を具体的に解説していきます。タイルは一見すると硬くて丈夫な素材ですが、貼り方やシート選びを間違えると、浮きや剥がれ、見た目の違和感につながります。順を追って理解することで、無理なく作業を進められるようになります。
貼り方を初心者向けに解説
タイルにリメイクシートを貼る作業は、正しい手順を守れば特別な工具がなくても行えます。結論として、最も重要なのは「下準備」と「一気に貼らないこと」です。この2点を意識するだけで、失敗の確率は大きく下がります。
まず下準備が重要な理由は、タイル表面に残った汚れや水分が、粘着力を大きく弱めてしまうからです。キッチンや洗面所のタイルには、目に見えない油分や洗剤成分が付着していることが多く、そのまま貼ると数日から数週間で端が浮いてくる原因になります。国土交通省が公表している住宅維持管理に関する資料でも、内装仕上げの施工前には「油脂類・水分・埃の除去」が基本とされており、これは簡易なDIYでも同じ考え方が当てはまります。
具体的な貼り方の流れは、以下のようになります。
- 中性洗剤でタイル表面と目地を丁寧に洗う
- 水拭き・乾拭きをして完全に乾燥させる
- 必要に応じて目地の凹凸を確認する
- シートを貼る位置を仮決めする
- 少しずつ剥離紙を剥がしながら貼る
- 空気を押し出すように圧着する
この中でも、初心者が失敗しやすいのが「一気に剥離紙を剥がしてしまう」ことです。最初から全面を剥がすと、位置がずれたときに修正ができず、シワや気泡が入りやすくなります。端から10〜20cmずつ剥がし、ヘラや柔らかい布で押さえながら進めることで、落ち着いて作業できます。
実際の作業例として、洗面所のタイル壁にリメイクシートを貼ったケースでは、最初に仮置きしてマスキングテープで位置を固定し、少しずつ貼り進めたことで、ほとんどズレのない仕上がりになったという声があります。一方で、勢いで一気に貼った結果、斜めにずれて貼り直しになったという失敗談も少なくありません。
最後に、貼り終えた直後は問題なく見えても、完全に粘着が安定するまでには時間がかかります。貼った当日は強く触ったり、水をかけたりせず、静かに置いておくことも長持ちさせるポイントです。
タイルの上に貼るシート(キッチン)はどう選ぶ?
キッチンのタイルに使うリメイクシートは、場所の特性を考えて選ぶ必要があります。結論として、キッチンでは「耐水性」と「耐熱性」を重視したシートを選ばないと、短期間で劣化する可能性が高くなります。
キッチンは、家庭の中でも特に過酷な環境です。水はね、油汚れ、調理中の蒸気や熱が日常的に発生します。こうした環境下では、一般的な装飾用シートでは耐えきれないことがあります。消費者庁や住宅関連団体の注意喚起でも、水回りや火を使う場所では、素材の耐久性を確認することが重要だとされています。
キッチン用として適したリメイクシートには、次のような特徴があります。
- 「耐水」「防水」と明記されている
- 表面が拭き取りやすい素材
- 耐熱温度の目安が記載されている
- 油汚れに強い加工がされている
特に注意したいのが、コンロ周辺です。コンロの真横や真上のタイルは、想像以上に高温になります。そのため、耐熱表記のないシートを貼ると、変形や剥がれだけでなく、安全面の不安も出てきます。コンロから十分な距離がある壁面や、シンク周辺のタイルであれば、耐水性重視のシートでも問題なく使えるケースが多いです。
実例として、シンク背面のタイルに耐水タイプのリメイクシートを貼った家庭では、日常的に水がかかっても、半年以上きれいな状態を保てているケースがあります。一方で、安価な紙系シートを使った場合、油が染み込み、変色してしまったという失敗も報告されています。
キッチンでは見た目だけでなく、掃除のしやすさも重要です。表面がザラザラしているシートは汚れが溜まりやすく、結果的に劣化を早めます。購入前に、レビューや商品説明で「水拭き可能」「油汚れ対応」といった記載を確認しておくと安心です。
キッチン用のシート選びは、多少価格が高くても性能を優先することで、結果的に貼り替えの手間や失敗を減らすことにつながります。
タイルの上に貼るシート(トイレ)で気を付けること

トイレのタイルにリメイクシートを貼る場合、キッチンとは異なる視点で注意が必要です。結論として、トイレでは「湿気対策」と「通気性」を意識した使い方をしないと、カビや剥がれの原因になります。
トイレは水回りでありながら、キッチンほど水が飛び散る場所ではありません。しかし、常に湿気がこもりやすく、換気が不十分だと結露が発生しやすい空間です。国や自治体が出している住宅衛生に関する資料でも、トイレは「湿気管理が重要な空間」とされており、内装材の選定が快適性に影響するとされています。
トイレでリメイクシートを使う際に、特に気を付けたいポイントは以下の通りです。
- 防水・耐湿性のあるシートを選ぶ
- 床や便器周辺には貼らない
- 換気扇が正常に機能しているか確認する
- 定期的に剥がれやカビをチェックする
トイレの腰壁や、手洗い器の背面タイルなどは、比較的リメイクシートが使いやすい場所です。一方で、床近くや便器のすぐ横は、飛沫や湿気が集中しやすく、シートの劣化が早まります。
実際の使用例では、腰の高さより上のタイルにリメイクシートを貼り、数か月ごとに状態を確認することで、問題なく使い続けられているケースがあります。逆に、床まで全面に貼った結果、目に見えない部分でカビが発生し、剥がした際に黒ずみが残ってしまったという例もあります。
また、トイレは空間が狭いため、柄選びも重要です。大柄なデザインを選ぶと圧迫感が出やすく、小さな空間では落ち着かない印象になることがあります。明るめで控えめな柄を選ぶことで、清潔感を保ちやすくなります。
トイレでのリメイクシートは、正しく使えば空間の印象を大きく変えられる反面、使い方を誤ると衛生面の問題につながります。湿気と通気を意識した選び方と貼り方を心がけることで、安心して取り入れることができます。
タイルを剥がさずに貼る方法はある?
タイルを剥がさずに、そのまま上からリメイクシートを貼る方法はあります。結論として、タイルの状態を正しく見極め、下地処理を丁寧に行えば、タイルを壊さずに見た目を変えることは十分可能です。むしろDIYでは、タイルを剥がさずに施工する方が失敗のリスクは低いと言えます。
その理由は、タイル自体が非常に硬く、無理に剥がそうとすると下地の壁まで傷つけてしまう可能性が高いからです。特にキッチンやトイレの壁タイルは、モルタルやボードにしっかり固定されていることが多く、専門工具なしで剥がすと、壁面の欠けやヒビにつながります。国土交通省の住宅リフォーム関連資料でも、既存仕上げ材を活かした「重ね貼り」は、軽微な模様替えとして有効な手法とされています。
タイルを剥がさずに貼る場合、最も重要になるのが下地の確認です。以下のポイントを事前にチェックすることで、失敗を大きく減らせます。
- タイルが浮いていないか、ガタつきがないか
- 表面にヒビや欠けがないか
- 目地が極端に深くないか
- 油汚れや水垢が完全に落ちているか
この中で特に見落とされやすいのが、目地の深さです。目地が深いと、リメイクシートが溝に沈み込み、時間とともに凹凸が浮き出てきます。そのため、必要に応じて目地埋めを行うと仕上がりが安定します。市販の目地補修材やパテを使い、表面をならしてから十分に乾燥させることで、シートが密着しやすくなります。
実際の例として、築20年以上の住宅で目地が深いタイル壁に直接シートを貼ったところ、数週間で模様が浮き出てしまったケースがあります。一方、同じ壁でも事前に目地を埋めてから貼り直したところ、凹凸が目立たず、半年以上きれいな状態を保てたという事例もあります。この差は、タイルを剥がしたかどうかではなく、下地処理の有無によるものです。
また、撥水性の高いタイルの場合は、粘着力が弱く感じられることがあります。その場合は、強粘着タイプのリメイクシートを選ぶ、もしくは下地用プライマーを併用する方法もあります。ただし、賃貸住宅ではプライマーの使用が原状回復に影響することがあるため、慎重な判断が必要です。
タイルを剥がさずに貼る方法は、手間を抑えつつ見た目を変えられる現実的な選択肢です。ただし「そのまま貼るだけで大丈夫」と考えず、下地の状態に合わせた準備を行うことが、長持ちさせるための重要なポイントになります。
リメイクシートの欠点は何?デメリットも理解しよう
リメイクシートは手軽で便利な反面、いくつかの欠点もあります。結論として、リメイクシートは「本格的なリフォームの代わり」ではなく、「一時的な見た目改善」として使うものだと理解しておくことが大切です。
このように考えるべき理由は、リメイクシートが建材ではなく、あくまで装飾用の表面材として作られているからです。耐水性や耐久性が向上している商品も増えていますが、タイルそのものと同じ性能を持つわけではありません。住宅関連の公的資料でも、簡易内装材は「耐用年数が短いことを前提に使用する」と位置づけられています。
主な欠点として挙げられるポイントは、以下の通りです。
- 耐久年数が限られている
- 高温や強い湿気に弱い場合がある
- 下地の状態が仕上がりに直結する
- 剥がす際に跡が残る可能性がある
特に耐久性については誤解されがちです。商品によって差はありますが、多くのリメイクシートは数年単位での使用を想定しています。直射日光が当たる場所や、毎日水や油がかかる場所では、さらに寿命が短くなることもあります。
実例として、キッチンの壁タイルに貼ったリメイクシートが、2年ほどで色あせや端の浮きが目立ってきたケースがあります。一方、同じ商品を玄関の装飾壁に使った場合は、3年以上経っても大きな劣化が見られなかったという例もあります。この違いは、使用環境による影響が大きいことを示しています。
また、剥がすときのトラブルも理解しておく必要があります。再剥離タイプであっても、長期間貼り続けると粘着剤が硬化し、剥がしにくくなることがあります。無理に引っ張ると、タイル表面のコーティングが剥がれたり、目地が欠けたりする可能性もあります。
さらに、見た目に関しても注意点があります。リメイクシートは柄や質感が豊富ですが、近くで見ると「シート感」が分かる商品もあります。本物のタイルや石材のような質感を求める場合、期待と違うと感じることもあります。
こうした欠点を理解したうえで使えば、リメイクシートは非常に便利なアイテムです。デメリットを知らずに使うのではなく、あらかじめ把握しておくことで、後悔のない選択につながります。
まとめ:タイルにリメイクシートを貼る方法と必要な注意点
タイルにリメイクシートを貼る方法は、正しい知識と準備があれば、DIY初心者でも十分に取り入れられます。結論として、タイルを剥がさずに施工し、場所に合ったシートを選ぶことが、失敗を防ぐ最大のポイントです。
これまで解説してきた通り、タイルの状態確認、下地処理、シート選びのどれか一つでも欠けると、浮きや剥がれといったトラブルにつながります。逆に言えば、事前に環境を見極め、用途に合った商品を選ぶだけで、仕上がりと耐久性は大きく変わります。
実際に多くの成功例では、以下の点が共通しています。
- タイルを無理に剥がさず、下地を活かしている
- 使用場所ごとに適したシートを選んでいる
- 貼る前の清掃と乾燥を徹底している
- 定期的に状態を確認している
一方で、リメイクシートは万能ではなく、耐久性や安全面に限界がある素材です。高温になる場所や常時水にさらされる場所では、無理に使わない判断も必要になります。
タイルにリメイクシートを貼る方法は、住まいの印象を手軽に変えられる有効な手段です。ただし、「簡単だから大丈夫」と過信せず、特性と注意点を理解したうえで使うことが、満足度の高いDIYにつながります。正しい知識をもとに取り入れることで、失敗を避けつつ、快適な空間づくりを実現できます。
📌 記事のポイントまとめ
- タイルにリメイクシートを貼る方法は、下地の状態確認と準備が成功のカギになる
- タイルの上から貼ることは可能だが、目地の深さや汚れの除去が重要
- 賃貸では再剥離タイプを選び、原状回復を意識した使い方が必要
- キッチンやトイレでは、耐水性・耐熱性・湿気対策を重視してシートを選ぶ
- リメイクシートは万能ではないため、貼ってはいけない場所を理解することが大切
- デメリットを把握したうえで使えば、手軽に空間の印象を変えられる
※関連記事一覧
ガラス戸をリメイクシートで簡単おしゃれに変身!貼り方と注意点を解説
床のリメイクシート置くだけタイプのものは100均のでも使える?選び方と注意点を徹底解説
自転車リメイクシール100均でここまで変わる?安く可愛く仕上げる完全ガイド

