「メガネフレームの色が剥げてきた」「傷が目立つから自分で塗装して直したい」など、見た目の悩みは意外とよくあります。とはいえ、メガネは毎日顔に触れるものなので、「本当に自分でできるの?」「すぐ剥がれたり、ムラになったりしない?」と不安になりますよね。
結論から言うと、素材や状態を見極めて手順を守れば、メガネフレーム塗装を自分で行うことは可能です。ただし、下処理不足や塗料の選び間違い、乾燥不足があると、塗装剥がれ・ベタつき・肌荒れにつながるなど、かえって失敗するリスクもあります。
この記事では、メガネフレーム塗装を自分で行う前に知っておくべき基礎知識(素材別の注意点、剥がれの原因、マニキュアの可否、コーティングが剥がれる理由)を整理したうえで、スプレーでの手順や費用感、業者対応(眼鏡市場・JINSのケース)までまとめて解説します。読者が「やるべきか/やめるべきか」を判断できるように、失敗しない選び方と注意点を具体的にお伝えします。
- ・メガネフレーム塗装を自分で行うには、素材の見極めと下処理が最重要
- ・剥がれやムラの原因は「塗料選び・密着不足・乾燥不足」に集中しやすい
- ・マニキュアなど代用品はリスクもあるため、使いどころと限界を知る
- ・費用と仕上がり、対応可否を比べて「DIYか業者か」を判断できる
目次
メガネフレームを塗装を自分で行う前に知っておきたい基礎知識と注意点

メガネフレーム塗装を自分で行うかどうかは、「やる気があるか」よりも「フレームの素材と状態」「求める仕上がり」「日常での使い方」を整理できるかで決まります。ここでは、まずDIYが現実的かを判断する視点と、よくある失敗につながる塗装剥がれの原因を分かりやすく確認していきます。
本当に自分でできる?
メガネフレーム塗装を自分で行うことは可能ですが、誰でも同じ結果になる作業ではありません。成功しやすい人の共通点は、作業の丁寧さよりも「塗る前の準備に時間を使えること」と「失敗しやすい条件を避けられること」です。逆に、急いで見た目だけ直したい場合や、素材の相性が悪いフレームに挑戦する場合は、手間のわりに満足できない結果になりやすいです。
まず押さえたいのは、メガネフレームが「毎日手で触れられ」「汗や皮脂が付き」「こすれやすい」道具だという点です。家具や小物の塗装と違い、塗った直後にキレイでも、生活の中で摩耗が起きやすい環境に置かれます。つまり、塗装の出来は「塗る技術」だけでなく、「密着させる準備」「乾燥と硬化」「こすれに強い塗膜づくり」で決まります。
自分でできるかどうかは、次のような条件に当てはまるほど現実的になります。
- 表面の剥がれや色落ちが軽く、深い傷や変形が少ない
- 細かい作業が苦にならず、乾燥時間をしっかり取れる
- 「完璧な新品同様」より「目立ちにくくなる程度」で納得できる
- 失敗した場合に買い替えや修理も視野に入れられる
反対に、次のようなケースはDIY向きではありません。見た目だけでなく安全面の問題にもつながるため、無理をしないほうが結果的に安く済みます。
- テンプル(つる)の開閉が固い、ヒンジ周りがぐらつくなど機能に不安がある
- 塗装が広範囲で浮いている、ベタつきがある、表面にひび割れがある
- 金属フレームで腐食が進んでいる、メッキが大きく剥がれている
- 高価なメガネで、失敗のリスクを許容できない
また、塗る範囲も現実的に考えることが大切です。例えば、鼻パッド周辺やヒンジの可動部は摩擦が集中し、塗膜が割れやすい場所です。さらに、顔に近い部分は汗や皮脂の影響を受けやすいので、塗料の相性が悪いとベタついたり、においが残ったりしてストレスになります。DIYでは「全体を塗り直す」より、傷が目立つ部分だけを整えて、なるべく負担の少ない範囲で仕上げるほうが成功しやすいです。
判断に迷う場合は、以下のチェックで「DIYで進めても良いか」を整理できます。
| チェック項目 | DIY向き | DIYは注意/避けたい |
|---|---|---|
| 剥がれの範囲 | 小さな点・細い線程度 | 広範囲に浮きや剥がれがある |
| フレーム状態 | 割れ・歪みがない | 歪み、ヒンジ不良、亀裂がある |
| 求める仕上がり | 目立ちにくくなればOK | 新品同様の均一な仕上がりが必須 |
| 作業時間 | 下処理と乾燥に時間を使える | 短時間で終わらせたい |
| 失敗の許容 | 失敗時の買い替えも受け入れられる | 失敗が許されない(高価・思い入れが強い) |
この表で「DIYは注意/避けたい」が多いほど、塗装に挑戦する前に眼鏡店や修理サービスの利用も検討したほうが安心です。特にフレームの機能に不安がある場合は、塗装より先にフィッティング調整や部品交換が必要なこともあります。
塗装剥がれが起こる主な原因
メガネフレーム塗装を自分で行ううえで、もっとも多い失敗が「塗ったのにすぐ剥がれる」パターンです。これは塗料が悪いというより、塗膜がフレームに密着していないことがほとんどです。塗装は「塗る」作業より、「剥がれない条件をつくる」準備のほうが重要になります。
塗装剥がれの原因は大きく分けて、次の5つに整理できます。
- 表面に皮脂や汚れが残ったまま塗ってしまう
- 表面がツルツルのままで、塗料が引っかかる場所がない
- 塗料や下地(プライマー)が素材に合っていない
- 塗りが厚すぎて乾燥不足・硬化不足のまま使ってしまう
- 摩擦が集中する場所まで同じ塗り方で仕上げてしまう
まず最初の落とし穴が、見た目では分かりにくい「皮脂と整髪料」です。メガネは顔や髪に近いので、汗だけでなく、日焼け止めやファンデーション、ヘアスプレーなどが少しずつ付着します。これが残ったまま塗装すると、塗料は一見乗っているように見えても、内部で浮きやすくなります。触ったときに端からペリッと剥がれるのは、密着より先に汚れの層に付いてしまっている状態です。
次に多いのが、下地処理不足です。塗装は「ツルツルほど剥がれやすい」という性質があります。メガネフレームは工場出荷時にコーティングや塗装がされていることが多く、表面が滑らかです。この上にそのまま塗ると、塗膜がフレームに食い込まず、摩擦や曲げに耐えられません。細かい傷を付けて塗料が引っかかる場所を作る(足付け)工程は、DIYでの耐久性を左右する大事な作業です。
さらに、素材と塗料の相性も見落とされがちです。メガネフレームは大きく「金属」「プラスチック(樹脂)」「複合素材」に分かれ、樹脂もさらに種類があります。素材に合わない塗料を使うと、乾いても密着が弱かったり、表面がいつまでも柔らかいままになったりします。特に樹脂は、塗料の溶剤で表面が荒れたり白っぽく曇ったりすることもあるため、何を塗るかの前に「何に塗るか」を確認する必要があります。
塗り方の面では「厚塗り」が剥がれの大きな原因になります。キレイに見せたいほど一度で色をつけたくなりますが、塗膜が厚いと内部が乾きにくく、表面だけ乾いたように見えても中が柔らかい状態が残ります。すると、使い始めた時点で指の圧や摩擦で塗膜が動き、ひび割れや剥がれが起きます。メガネは日常的に手で触れるため、この影響が出やすいです。
最後に、場所による負荷の差も大切です。メガネの剥がれは、塗装全体が均一に崩れるのではなく「特定の場所から始まる」ことが多いです。例えば、次のような箇所は特に剥がれやすい代表例です。
- ヒンジ周り(つるの付け根):開閉で曲がりやすく、塗膜に割れが出やすい
- 鼻パッド周辺:汗・皮脂が付きやすく、清潔を保ちにくい
- 耳にかかる部分:こすれが多く、髪の整髪料も付きやすい
- フレーム外側の角:日常の接触で擦れやすく、欠けやすい
こうした場所は、塗装で完全に守るよりも、塗る範囲や仕上げ方を工夫して負担を減らすほうが成功しやすいです。例えば、可動部は塗装を避ける、塗るとしても薄くする、負荷の少ない部分だけ色を整えるなど、現実的な落としどころを作ることがDIYでは大切になります。
ここまでを踏まえると、塗装剥がれを防ぐ基本は「汚れを落とす」「表面に引っかかりを作る」「素材に合う下地と塗料を選ぶ」「薄く重ねて十分に乾燥させる」「負荷が大きい場所を避ける」の5つです。この順番を崩さずに準備できるなら、自分で行う塗装でも実用レベルの仕上がりを狙えます。逆に、どれか一つでも省くと、見た目は良くても短期間で剥がれてしまう可能性が高くなります。
プラスチック素材の注意点

プラスチック素材のメガネフレームは、自分で塗装できる可能性はありますが、金属よりも失敗が起きやすい素材です。理由はシンプルで、プラスチックは種類が多く、塗料との相性が合わないと「密着しない」「表面が荒れる」「ベタつく」「白っぽく曇る」といったトラブルが出やすいからです。見た目だけの問題に見えますが、顔に触れる道具なので、違和感や肌トラブルにつながることもあり、慎重に進める必要があります。
まず知っておきたいのは、ひとことでプラスチックと言っても、メガネフレームには複数の素材が使われている点です。代表的なものには、セルロースアセテート(アセテート)、TR-90、ポリカーボネートなどがあります。さらに、同じフレームでも「表面にコーティングや塗装が施されている」「透明層のような仕上げが乗っている」場合もあり、下地の状態がそれぞれ違います。つまり、同じ塗料を使っても結果が変わるため、まずは「素材と表面の状態」を前提に考えることが大切です。
プラスチック素材で起きやすい失敗は、次のように整理できます。
- 塗料が弾かれてムラになり、乾いても均一にならない
- 乾いたように見えても柔らかさが残り、触ると指紋やベタつきが出る
- 塗装が端から浮いてきて、爪や擦れでペリッと剥がれる
- 溶剤の影響で表面が白く曇る、細かなヒビが入る
- 鼻周りや耳にかかる部分で、汗や皮脂で塗膜が早く弱る
これらの原因は、ほとんどが「密着不足」と「溶剤ダメージ」に集まります。プラスチックは金属のように表面が硬く安定しているわけではなく、樹脂の種類によっては塗料がのりにくいことがあります。さらに、溶剤を含む塗料を使うと、塗る側のつもりが「素材を溶かしてしまう」形になることもあります。見た目は一時的にキレイに見えても、時間が経ってから曇りやひび割れが出るケースもあるため、塗ってすぐの評価だけで判断しないことが重要です。
安全に進めるための基本は「いきなり全体に塗らない」ことです。プラスチックの場合、最初の一手としておすすめなのは、目立たない場所での小さなテストです。例えば、つるの内側など、普段見えない部分に少量塗って乾燥させ、次のポイントを確認します。
- 塗った直後に弾かれないか(表面で玉にならないか)
- 乾燥後にベタつきが残らないか
- 爪で軽くこすって簡単に剥がれないか
- 白化や曇り、細かな割れが出ないか
これを確認するだけでも、全体を台無しにするリスクは大きく下げられます。さらに、プラスチックでは「足付け(細かい傷をつける下処理)」が結果を左右します。ただし、やりすぎると透明感のある素材では白っぽさが残ることもあるため、削り過ぎず、必要最小限で均一に整えるイメージが現実的です。
また、プラスチック素材のフレームは熱に弱いことも多いです。乾燥を早めたいからといって、ドライヤーの熱風を近距離で当てたり、直射日光に長時間置いたりすると、変形や変色につながる場合があります。乾燥は「風通しの良い日陰で時間をかける」ほうが安全です。
公的機関の統計のように「メガネフレームDIY塗装の成功率」を示すデータは一般的に出回っていませんが、生活用品の取り扱いで共通する安全上の考え方として、化学製品の使用では換気と皮膚への付着防止が重要とされています。塗料や溶剤を扱う作業は、健康面の配慮が必要な点は押さえておくべきです。
プラスチック素材は、塗装のしやすさよりも「相性が合うかどうか」が最優先です。素材が不明だったり、すでに表面がコーティングでツルツルしている場合ほど、塗る前のテストと下処理が欠かせません。
マニキュアは使えるのか?
マニキュアをメガネフレームの補修に使うことは、条件を選べば可能ですが、基本的には応急処置向きです。理由は、マニキュアは「爪に塗る前提」で作られており、メガネフレームのように汗・皮脂・摩擦・洗浄にさらされる環境では、耐久性が不足しやすいからです。さらに、乾燥しても独特のにおいが残ったり、肌に触れる部分で違和感が出たりする場合もあります。
それでもマニキュアが選ばれるのは、「手軽」「色が多い」「筆で細かく塗れる」というメリットがあるためです。小さな傷や点状の剥がれを、遠目に目立たなくしたいときには便利な方法になり得ます。ただし、万能ではありません。使える場面と避けたい場面を分けて考えることが大切です。
マニキュアが比較的向いているのは、次のようなケースです。
- 剥がれが小さく、点や細い線程度である
- 肌に直接当たりにくい、フレーム外側の見える部分の補修
- 色を「完全一致」ではなく「目立ちにくくする」目的で使う
- 失敗しても落としてやり直せる範囲である
一方で、避けたほうが良いケースもはっきりしています。
- 鼻パッド周辺や耳にかかる部分など、汗・皮脂・摩擦が多い箇所
- ヒンジ周りなど、曲げ伸ばしで塗膜が割れやすい箇所
- 広範囲の塗装や、全面の色替えを狙う場合
- 素材が不明で、溶剤による曇りや白化が不安な場合
マニキュアの弱点は、乾燥後も塗膜が硬くなりすぎたり、逆に柔らかさが残ったりして、メガネの使用環境に合いにくい点です。特に、フレームは手で持って着脱するため、指の油分が付きやすく、そこから剥がれが始まることがあります。また、塗る厚みが出やすいので、光の反射で「そこだけ盛り上がっている」のが分かってしまう場合もあります。
それでも使うなら、成功率を上げるコツは「薄く」「狭く」「重ね過ぎない」です。筆で一気に塗るのではなく、色をのせる感覚で少量ずつ整えるとムラが目立ちにくくなります。加えて、塗る前の脱脂は必須です。汚れが残っていると、マニキュアは特に密着が弱くなります。
実際のイメージとしては、例えばフレームの角に小さな剥がれがあり、黒フレームで白い下地が点で見えているような場合、黒系のマニキュアを「点で埋める」ように塗ると目立ちにくくなることがあります。ただし、これはあくまで“遠目の見え方”を改善する方法で、耐久性を求める補修ではありません。
また、マニキュアを使うことには安全面の注意もあります。爪用製品は一般に揮発成分を含むため、換気の悪い場所での作業は避けたほうが良いです。においが残ると、顔の近くで使うメガネではストレスになりやすい点も現実的なデメリットです。
まとめると、マニキュアは「小さな見た目の補修」に限って、短期的に目立たなくする方法としては選択肢になります。ただし、フレーム全体を塗り直す方法としては不向きで、長持ちを狙うなら塗装用の手順や素材に合う下地・塗料を選ぶほうが結果的に満足しやすいです。
メガネのコーティングが剥がれる原因は何?
メガネのコーティングが剥がれる原因は、ひとつではなく「時間による劣化」「摩擦」「汗や皮脂」「洗浄方法」「保管環境」などが重なって起きることが多いです。特にメガネは毎日使う道具なので、使い方が普通でも少しずつ表面に負担が積み重なります。塗装を自分で行う前に、そもそも剥がれがなぜ起きたのかを理解しておくと、同じ失敗を繰り返しにくくなります。
まず大前提として、コーティングは永久ではありません。表面の層は薄く、日々の摩耗で少しずつ削れていきます。特に、フレームの外側の角や、つるの曲がり部分など、擦れやすいところから剥がれが始まりやすいです。これは「使っている以上、どうしても起きやすい場所」があるという意味です。
剥がれの主な原因は、次のように整理できます。
- 着脱時に指で同じ場所を触ることで摩擦が集中する
- 汗・皮脂・化粧品・整髪料が付着し、表面が弱りやすくなる
- メガネ拭きで強くこする、乾拭きで砂やホコリを引きずる
- 洗剤やアルコールなど、表面に強い成分が繰り返し触れる
- 高温(車内放置など)や直射日光で材料が変化しやすくなる
ここで重要なのは、コーティングの剥がれが「塗装だけの問題」ではないことです。例えば、メガネを拭くときに、レンズと一緒にフレームも強くこすっていると、フレーム表面にも細かい摩耗が起きます。また、砂やホコリが付いたまま乾拭きすると、見えない研磨のようになってしまい、表面の層が削られやすくなります。
汗や皮脂も見逃せません。鼻周りや耳にかかる部分は、肌に触れる時間が長く、湿気と油分が常に付きやすい場所です。ここに化粧品や日焼け止め、整髪料が加わると、表面の層が劣化しやすくなります。剥がれが「まだら」や「薄皮が浮くような感じ」で起きる場合は、この影響が強いことがあります。
洗浄方法も、剥がれに直結します。便利だからといって、アルコールで頻繁に拭く人もいますが、製品によっては表面の樹脂層に負担をかけることがあります。また、洗剤も濃いまま使ったり、よくすすがずに乾かしたりすると、成分が残って表面に影響することがあります。メーカーや素材によって推奨される手入れ方法は違うため、「強い成分で頻繁に拭く」ほど安全というわけではありません。
公的機関の統計として「メガネのコーティング剥がれの割合」を示す数字は一般的に公開されていませんが、家庭用品の化学製品使用においては、揮発成分や溶剤を含む製品の取り扱いで換気や皮膚への付着防止が重要とされるのは共通した考え方です。メガネフレームに塗装や補修をする際も、同じように安全面を意識して進める必要があります。
実例として分かりやすいのは、剥がれが起きる場所の偏りです。例えば、毎回メガネを外すときに右手で右側のつる付け根をつまむ癖があると、その周辺だけ色落ちが早く進むことがあります。また、夏場に汗をかきやすい人では、鼻周りや耳にかかる部分の剥がれが目立ちやすくなります。さらに、車のダッシュボードに置く習慣があると、高温で表面が弱って細かなひび割れや浮きが出ることもあります。こうした生活習慣の積み重ねが、剥がれの原因になりやすいです。
この原因を踏まえると、塗装を自分で行うときに大事なのは「剥がれやすい条件を減らすこと」です。具体的には、摩擦が集中する部分を厚塗りしない、可動部は塗装を避ける、汗が付いた日はこまめに汚れを落とす、保管場所を高温にしないといった工夫が、仕上がりを長持ちさせる助けになります。
コーティングが剥がれた原因を知っておくと、塗って終わりではなく、その後の扱い方まで含めて失敗しにくい判断ができるようになります。塗装に進む前に、どこが剥がれやすいか、なぜそこが傷みやすいかを一度整理しておくと安心です。
メガネフレームを塗装を自分で行う方法と業者との比較ポイント

ここからは、メガネフレーム塗装を自分で行う場合に「どんな手順で進めれば失敗しにくいか」と、気になる料金感、そして眼鏡店側でどのような対応になりやすいかを整理します。DIYは自由度が高い反面、仕上がりと安全面を自分でコントロールする必要があります。手順を知ったうえで、費用や手間を比べながら判断できるようにしていきます。
スプレーで仕上げる手順
メガネフレームをスプレーで塗装するなら、「塗る工程」よりも「塗る前」と「塗った後」を丁寧にするほど成功しやすいです。スプレー塗装は広い面を均一に仕上げやすい反面、近づけすぎると垂れたり、離しすぎるとザラついたりと、距離と量の調整が難しいところがあります。ですが、手順を守って薄く重ねれば、初心者でも実用レベルの見た目を狙えます。
最初に決めるべきなのは「どこまで塗るか」です。メガネフレームは可動部があり、鼻周りや耳に触れる部分もあります。全体を完璧に塗ろうとすると、剥がれやすい場所まで塗ってしまい、結果的に持ちが悪くなりがちです。DIYでは、目立つ外側を中心に、可動部や肌に当たりやすい場所は無理に塗らないほうがうまくいくことが多いです。
スプレー塗装で失敗しないための全体像は、次の流れで考えると整理しやすいです。
- パーツ状態の確認と塗らない範囲の決定
- 洗浄・脱脂(油分を落とす)
- 足付け(表面を軽く荒らして密着を良くする)
- マスキング(塗らない箇所を保護)
- 下地(必要ならプライマー)
- カラー塗装(薄く重ねる)
- トップコート(必要なら)
- 十分な乾燥と硬化
ここから、各工程での注意点を具体的に見ていきます。
1)パーツ状態の確認と塗らない範囲を決める
まず、塗装の前にフレームを軽く点検します。ヒンジがガタつく、つるが固い、ネジが緩い、フレームに亀裂がある場合は、塗装より先に調整や修理が必要です。塗装しても機能が戻るわけではなく、作業中に負荷がかかって破損が進むこともあります。
塗らないほうがよい代表的な場所は次の通りです。
- ヒンジ周辺(可動で塗膜が割れやすい)
- ネジ・蝶番の隙間(固着や動作不良の原因になりやすい)
- 鼻パッドが当たる部分(汗・皮脂で劣化しやすい)
- 耳に当たる内側(肌への違和感が出やすい)
2)洗浄・脱脂
塗装剥がれの大きな原因が、皮脂や整髪料の残りです。メガネは顔に近いので、見た目以上に油分が付いています。ここを省くと、塗膜が表面に乗っているだけになり、短期間で剥がれやすくなります。洗浄は「汚れを落とす作業」ではなく「密着の土台を作る作業」と考えると丁寧さが変わります。
脱脂のポイントは、次のように押さえると失敗しにくいです。
- 水分・皮脂が残りやすい溝や角は丁寧に
- 洗浄後は完全に乾かしてから次工程へ
- 作業中に素手で触りすぎない(再び皮脂が付くため)
3)足付け(表面を軽く荒らす)
足付けは、塗装の持ちを左右する重要工程です。表面がツルツルだと塗料が引っかからず、摩擦ですぐ剥がれます。逆に削りすぎると見た目が悪くなるため、必要最小限で均一に整えることが大切です。特にプラスチックは削りすぎで白っぽさが出る場合もあるので、力を入れずに軽く整えるイメージが安全です。
足付けで意識したいポイントは次の通りです。
- 角や曲面はムラが出やすいので、同じ強さで当てる
- 深い傷を作るより、細かな均一の傷を増やす
- 削った粉は残さず落とす(仕上がりのザラつき防止)
4)マスキング
マスキングは「塗らない場所を守る」だけでなく、「塗る境界をきれいに作る」役割があります。特にヒンジ周辺やレンズに塗料が飛ぶと、取り返しがつかないことがあります。レンズは外せない場合が多いので、確実に保護してください。
マスキングの注意点は次の通りです。
- 境目はしっかり押さえて隙間を作らない
- レンズは広めに覆って飛散に備える
- 作業後に剥がすタイミングを遅らせすぎない(塗膜が割れやすい)
5)下地(必要ならプライマー)
素材によっては、下地を入れることで密着が大きく改善します。特にプラスチックや表面コーティングが強いフレームでは、いきなりカラーを吹くと弾かれてムラになりやすいです。下地は「塗料を乗せる橋渡し」なので、派手さはありませんが、結果に直結します。
ただし、下地にも相性があります。素材に合わないものを使うと逆効果になる場合があるため、目立たない場所で小さく試して、弾き・ベタつき・白化がないか確認してから進めるほうが安全です。
6)カラー塗装(薄く重ねる)
スプレーで最も大事なのは「一度で色を完成させない」ことです。厚塗りすると垂れやすく、内部が乾きにくく、後から指紋や剥がれが起きやすくなります。薄く吹いて乾かし、また薄く吹くという積み重ねが、最終的にムラの少ない仕上がりにつながります。
吹き付けの基本は次の通りです。
- 一定の距離を保ち、動かしながら吹く
- 同じ場所に当て続けない(溜まり=垂れの原因)
- 角や端は薄く(厚くなると欠けやすい)
7)トップコート(必要なら)
トップコートは、見た目の艶を整えたり、摩耗への耐性を上げたりする目的で使われます。メガネは擦れが多いので、持ちを意識するなら検討する価値はあります。ただし、トップコートも相性があり、厚くすると割れやすくなる場合もあるため、ここでも薄く重ねるのが基本です。
8)十分な乾燥と硬化
「乾いた」と「使って良い」は別物です。表面が乾いて触れそうに見えても、中の硬化が進んでいないと、すぐに指の跡が付いたり、ベタついたりします。メガネは手で触って着脱するため、この差が特に出やすいです。焦って使うほど剥がれの原因になるので、余裕を持って乾燥させることが成功の近道です。
最後に、DIYスプレー塗装で失敗しにくい判断ポイントをまとめます。
- 塗る前の脱脂と足付けを最優先する
- 可動部や肌に当たる場所は塗らない・薄くする
- 一度で仕上げず、薄塗りを重ねる
- 乾燥時間をケチらない
料金はいくらかかる?
メガネフレーム塗装を自分で行う場合の料金は、どこまで揃えるかで大きく変わります。すでに道具がある人なら数千円で済むこともありますが、下地やトップコートまで揃えて丁寧にやるほど費用は上がります。ただし、業者に出す場合も一概に高いとは限らず、仕上がりや手間を含めて比べると「どちらが得か」は人によって変わります。
DIYで必要になりやすい費用の項目は、次のように分けられます。
| 費用項目 | 必要度 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 洗浄・脱脂 | 高 | 汚れ落とし、油分除去に使うもの |
| 足付け用 | 高 | 表面を整えるための道具 |
| マスキング | 高 | レンズや可動部を守るための保護材 |
| 下地(プライマー等) | 中〜高 | 素材と塗料の密着を補助する |
| カラー塗料(スプレー) | 高 | 仕上げ色を付けるための塗料 |
| トップコート | 中 | 艶・耐摩耗性を補う仕上げ |
| 安全対策 | 中 | 換気、手袋など作業の安全性 |
金額は購入先や選ぶ製品で変わるため断定はできませんが、目安としては「最低限の補修なら数千円」「下地やトップコートまで含めると数千円〜1万円程度」になることが多いです。特に、スプレー塗装で色と仕上げを揃えると、どうしても複数本が必要になりやすいです。
一方で業者側の費用は、店舗やサービス内容、修理の範囲によって変わります。塗装そのものを受け付けていない場合もあり、その場合は買い替え提案やフレーム交換の案内になることもあります。費用だけでなく「対応してもらえるか」「どこまで直せるか」が判断材料になります。
費用面でDIYが有利になりやすいのは、次のような場合です。
- 家に道具があり、追加購入が少ない
- 部分補修で済み、塗る範囲が小さい
- 仕上がりに完璧を求めず、目立ちにくくできれば良い
逆に、業者を検討したほうが良いのは次のような場合です。
- 高価なメガネで失敗したくない
- 剥がれが広く、全体の見た目を整えたい
- フレームの調整や部品交換も必要そう
実例として、DIYで色替えを狙って塗料を揃えた結果、思ったより費用がかさみ、さらに乾燥不足で剥がれてやり直しになり、結局買い替えたというケースもあります。逆に、外側の小さな剥がれだけを丁寧に補修し、必要最低限の購入で済ませて満足できたケースもあります。つまり、料金は「どのレベルまで直したいか」で変わり、安く済ませるコツは“欲張らない範囲で仕上げる”ことです。
まとめると、DIYは初期費用が低く見えやすい一方、下地や仕上げを揃えるほど費用が上がりやすいです。業者は確実性や相談のしやすさが魅力ですが、そもそも塗装対応がないこともあります。次の見出しでは、店舗対応の考え方を具体的に見ていきます。
眼鏡市場の対応事例
眼鏡市場のような眼鏡店に相談するときは、「塗装をしてくれるか」だけでなく、「どの範囲まで対応可能か」を段階的に考えるのが現実的です。眼鏡店は基本的に、視力矯正用具としての安全性とフィット感を重視します。そのため、塗装のような外観の加工は、店舗の方針やフレーム素材、状態によって対応が変わりやすい分野です。
実際の相談で起きやすい流れとしては、次のようなパターンが多いです。
- 塗装そのものは対応外だが、フレーム交換や買い替え提案になる
- 剥がれや傷の状態を見て、修理窓口やメーカー対応の案内になる
- 見た目よりも、フィッティング調整や部品交換(鼻パッド等)を優先して提案される
この背景には、塗装が「仕上がりの個体差が出やすい」「耐久性を保証しにくい」「肌に触れる部分の安全性に関わる」という事情があります。店舗としては、責任の範囲を明確にしづらい作業は受けにくい傾向があります。特に、顔に近い道具である以上、においやベタつき、塗膜の剥がれが肌に当たる可能性など、問題が出たときの影響が大きいからです。
また、フレームの状態によっては「塗装より先に必要なこと」が見つかる場合があります。例えば、つるの開閉が固い、歪みがある、ネジが緩いといった問題は、塗装では解決しません。むしろ塗装してから調整すると塗膜に負担がかかり、ひび割れや剥がれの原因になります。眼鏡店が調整や交換を勧めるのは、こうした理由があるためです。
相談時にスムーズに判断してもらうには、伝え方を工夫すると良いです。例えば「塗装してほしい」とだけ言うより、次のように目的を具体化すると選択肢が広がります。
- 「剥がれが目立つので、直せる方法があるか知りたい」
- 「買い替えか修理か迷っているので、状態を見てほしい」
- 「このフレームは修理できるのか、交換が必要か判断したい」
こう伝えると、塗装対応が難しい場合でも、別の現実的な解決策(部品交換、メーカー対応、買い替え時の選び方など)につながりやすいです。
実例としてよくあるのは、塗装の剥がれだと思っていた部分が、実は表面のコーティング層の劣化で、すでに広い範囲が浮いている状態だったケースです。この場合、DIYで上から塗ると、浮いている層ごと剥がれてしまい、逆に見た目が悪化することがあります。店舗で状態確認をしてから方針を決めれば、こうした遠回りを避けやすくなります。
まとめると、眼鏡市場に限らず眼鏡店での相談は「塗装してもらえるか」という一点だけでなく、「安全に使い続けるために何が最適か」を判断する場として活用するのが現実的です。DIYに進む前に状態を見てもらうだけでも、失敗のリスクを下げられる場合があります。
JINSでできること・できないこと

JINSのような大手眼鏡店に相談するときは、「塗装をしてくれるか」だけで判断しないほうがうまくいきます。結論としては、メガネフレーム塗装を自分で行うか迷っている場合でも、JINSに持ち込むことで“できること”と“できないこと”が整理でき、失敗のリスクを減らせます。一方で、外観を塗り替えるような加工は店舗のサービス範囲外になりやすく、希望通りの塗装対応を前提にするとギャップが出やすいです。
眼鏡店が重視するのは、見た目よりも「安全に見える状態を保てるか」「かけ心地やフィットが崩れていないか」「部品が正常に機能するか」です。メガネは医療機器ではないものの視生活に直結する道具で、フレームが歪んだり、ネジが緩んだりすると、レンズ位置が変わって見え方が変化することもあります。だからこそ、塗装より先に「調整」「部品交換」「状態確認」が優先されやすいと考えると理解しやすいです。
JINSに相談したときに“できること”として期待しやすいのは、主に次のような内容です。
- フィッティング調整(かけ心地の調整、ゆがみの確認)
- ネジの締め直しや簡易的な点検(ガタつきの確認など)
- 鼻パッドなど交換可能な部品の対応(対応可否はモデルや在庫によります)
- 破損や劣化状態を見て、修理・買い替えの判断材料を提示
- 自社製品であれば保証やサポート条件の案内(内容は購入状況により変わります)
これに対して、“できないこと”になりやすいのは、仕上がりや耐久性の保証が難しい加工や、作業後にトラブルの責任範囲が曖昧になる対応です。具体的には次のようなものが該当しやすいです。
- フレームの色を塗り替えるような塗装作業
- コーティング層を削る・剥がすなどの表面加工
- 素材に強い影響が出る可能性がある溶剤系の処置
- 他社製フレームの特殊な修理(対応範囲は店舗や状態で変わります)
こうした線引きがある理由は、メガネフレームが素材も形も多様で、同じ作業でも結果が変わりやすいからです。特に塗装は、下地処理の状態や素材との相性で耐久性が大きく変わります。店舗側としては「仕上がりが一定にならない」「肌に近い場所で剥がれやベタつきが出る可能性がある」「不具合が出たときに原因が特定しにくい」といった点から、サービスとして提供しにくい分野になりがちです。
また、自分で塗装したフレームを持ち込む場合も注意が必要です。たとえば、塗料がヒンジ付近に入り込んで固まっていると、開閉の動きが悪くなり、調整や分解が難しくなることがあります。塗装によるベタつきが残っている場合も、作業する側が触れにくく、対応を断られる可能性が出ます。DIYをするなら、可動部は塗らない、厚塗りを避ける、完全に硬化させてから持ち込むといった配慮が、後の相談をスムーズにします。
根拠として押さえておきたいのは、塗料や溶剤を扱う作業は、換気や皮膚への付着防止などの安全配慮が必要になる点です。これは塗装全般に共通する考え方で、メガネのように顔の近くで使うものは特に慎重さが求められます。店舗が塗装を扱いにくい背景には、こうした安全面の配慮も含まれます。
実例としてよくあるのは、「フレームの色落ちを直したい」と相談した結果、塗装ではなく、まずフィッティング調整や部品交換の案内になったケースです。見た目の問題だと思っていたら、実はつるの開閉が固く、摩擦で表面が削れていた、ということもあります。原因が摩擦や汗であれば、塗装しても同じ使い方だとまた剥がれるため、先に使い方や手入れ方法を見直したほうが良い場合もあります。
まとめると、JINSで期待しやすいのは「状態確認」「調整」「交換できる部品の対応」「買い替えや保証の案内」で、塗装のような外観加工は対応外になりやすいと考えるのが現実的です。DIYに進む前に一度相談しておくと、無駄な失敗を避けやすくなります。
JINSのよくある相談内容
JINSに持ち込まれる相談の中で多いのは、「見え方」「かけ心地」「フレームの不具合」「見た目の劣化」の4つに集まります。結論として、メガネフレーム塗装を自分で行うか迷っている人は、塗装そのものよりも、まず“なぜ剥がれたのか”“どこが痛んでいるのか”を相談として整理すると、解決までが早くなります。塗装を検討している人ほど、剥がれ以外の不具合(ゆがみ、ネジの緩み、鼻パッドの劣化など)を見落としていることがあるからです。
よくある相談内容は、次のような形で出やすいです。
- メガネがずり落ちる、耳が痛いなどのフィットの悩み
- つるがゆるい/固い、ネジが取れそうなどの構造の不安
- レンズが傷ついた、汚れが落ちない、曇りやすい
- フレームの色が薄くなった、塗装やコーティングが剥がれてきた
- 鼻パッドが黄ばんだ、割れた、当たりが気になる
ここでポイントになるのは、「見た目の劣化」と「機能の問題」がつながっている場合があることです。たとえば、つるの開閉が固い状態で使い続けると、ヒンジ周辺に負荷が集中し、塗装やコーティングが擦れて剥がれやすくなります。逆に、ずり落ちる状態で何度も指で押し上げていると、いつも触る部分だけ皮脂と摩擦で色落ちが進みます。つまり、見た目だけ直しても、原因が残っているとまた同じ場所が傷みやすいです。
相談の場で役立つのは、剥がれ方を自分で簡単に言語化しておくことです。たとえば次のように伝えると、状況確認がしやすくなります。
- 「角だけ削れて下地が見える」
- 「薄い膜が浮くように剥がれている」
- 「ベタつきが出て、触ると跡がつく」
- 「つるの付け根だけ色が落ちている」
「角だけ削れている」タイプなら摩擦の影響が強い可能性があります。「膜が浮く」タイプならコーティング層の劣化や密着低下が疑われます。「ベタつき」は塗膜や素材の劣化、あるいは外部成分(整髪料や洗浄剤の残り)が関係している場合があります。このように剥がれ方を整理するだけでも、DIYで上から塗るべきか、そもそも塗らないほうが良いかの判断がしやすくなります。
根拠として押さえるべき考え方は、メガネは顔に近い道具で、汗や皮脂、化粧品などの影響を受けやすく、日々の摩擦も避けられないという点です。したがって、塗装や補修をしても、その後の使い方が同じなら劣化の再発は起きやすいです。店舗での相談は、塗装の可否だけでなく、原因を減らすための扱い方や調整の提案を受ける意味があります。
実例としては、フレームの剥がれを直したいと思って持ち込んだところ、実際にはフレームの歪みが原因で片側だけ強く当たっており、その擦れで色落ちが進んでいたケースがあります。この場合、塗装をしても歪みが残れば同じ場所がまた擦れて剥がれます。先に調整をして当たり方を整えるだけで、見た目の悪化スピードが落ちることもあります。
まとめると、JINSでの相談は「塗装をしてもらう」よりも、「原因の整理」「調整」「交換できる部品の確認」「今後の劣化を防ぐ方向性の相談」に向いています。DIYに進む前に、相談の仕方を工夫するだけで、遠回りを避けやすくなります。
まとめ:メガネフレームを塗装を自分で行う際の判断ポイント
メガネフレーム塗装を自分で行うかどうかの最終判断は、「塗れるか」ではなく「塗ったあとに困らないか」で決めるのが安全です。結論として、素材と状態を見極め、剥がれやすい条件を避けて、薄く重ねて十分に乾燥させる前提が守れるならDIYは成立します。逆に、素材が不明で相性が読めない、可動部や肌に当たる場所まで塗ってしまいそう、乾燥時間を取れない場合は、仕上がり以前にトラブルが起きやすいです。
判断の軸は、次の3つにまとめるとブレにくくなります。
- 素材と表面の状態:プラスチックは相性の差が大きく、コーティングが浮いていると上塗りが剥がれやすい
- 使い方の負荷:汗・皮脂・摩擦が強い場所ほど、DIYの塗膜は持ちにくい
- 求める仕上がり:新品同様を狙うほど難易度が上がり、部分補修のほうが成功しやすい
ここまでの内容を踏まえたうえで、DIYに向いている条件を具体化すると次の通りです。
- 剥がれが小さく、深い傷やひび割れがない
- 可動部や肌に当たる場所を避けて塗れる
- 脱脂と足付けを省かず、薄塗りを重ねられる
- 乾燥・硬化に十分な時間を確保できる
- 失敗しても買い替えや別の方法に切り替えられる
反対に、避けたほうが良い条件もはっきりしています。
- コーティングが膜のように浮いている、広範囲で剥がれている
- ヒンジ周りに不具合があり、調整が必要そう
- 高価で失敗が許されない、見た目の完成度を強く求める
- 短時間で終わらせたい、乾燥を待つのが難しい
根拠として忘れてはいけないのは、メガネは顔に近く、日常で必ず触る道具だという点です。塗装の良し悪しは、塗った直後ではなく、数日〜数週間使ったあとに差が出ます。だからこそ、短期的な見た目より、剥がれにくい条件づくり(脱脂、足付け、薄塗り、乾燥、負荷の高い場所を避ける)を優先することが、失敗を減らす基本になります。
実例としては、外側の小さな剥がれだけを狙って補修し、可動部は塗らず、乾燥時間をしっかり取ったことで「遠目に目立たなくなり満足できた」ケースがあります。一方で、全面塗装に挑戦して厚塗りになり、乾燥不足のまま使い始めて指の跡や剥がれが出て、結局やり直しになったケースもあります。ここから分かるのは、欲張るほど難しくなり、範囲を絞るほど成功しやすいということです。
最終的に迷うなら、眼鏡店に状態確認だけでも相談しておくと安心です。塗装の可否は別として、歪みや部品劣化があるかを見てもらうだけで、DIYでやるべきかの判断材料が増えます。自分で塗装するにしても、相談してから進めるほうが、無駄な失敗を避けやすくなります。
- ・メガネフレーム塗装を自分で行うなら、素材と状態を見極めて「塗らない判断」も含めて考えることが大切です
- ・剥がれを防ぐカギは、脱脂・足付け・薄塗り・十分な乾燥で、塗る工程より下準備が結果を左右します
- ・プラスチックやコーティング劣化は相性問題が出やすく、マニキュアは応急処置向きなので用途を限定するのが安全です
- ・迷ったら眼鏡店で状態確認をしてから進めると、調整・部品交換・買い替えも含めて失敗しにくい選択ができます

