自作PCに必要なのは、6つのパーツとOS、そしてプラスドライバーなどの工具です。CPU・GPUメーカーとMicrosoftの公式仕様をもとに、買う前に確認したい点を整理します。

自作PCを組みたいんですが、何が必要なのかよく分からなくて。パーツが多すぎてどこから手をつければいいか迷っています。

CPU・マザーボード・メモリ・ストレージ・電源・ケースの6点に、Windowsのライセンスが加わります。最初の関門は、CPUのソケットとメモリの規格をメーカーの仕様表で合わせることです。
📌 この記事でわかること
● 自作PCで最低限そろえるパーツ・OS・工具
● CPUのソケットとメモリ規格をメーカーの仕様表で合わせる方法
● 予算を組むときに入れ忘れやすい費用
● 組み立てを店に頼む場合の料金と作業範囲
自作pcに必要なものを知る前に押さえたい基礎知識


自作PCは、用途を決める→構成を決めて規格を照合する→買う→組む、の順で進めます。規格の照合を飛ばすと、買ったパーツが取り付けられないことがあります。
まず全体の流れと、必要なパーツ・工具・予算・失敗しやすい点を確認します。
初めてでも理解できる全体の流れ
用途を決め、CPUから構成を組み立てて規格を照合し、購入、組み立てとOSのインストールの順に進めます。各手順で何を確認するかは次のとおりです。
組み立て前に把握したい5つの手順
| 手順 | やること | 確認するもの |
|---|---|---|
| ① 用途を決める | ネット・事務、ゲーム、動画編集など | 使いたいソフトやゲームの推奨環境 |
| ② 構成を決める | CPUを決め、ほかのパーツを合わせる | CPUメーカーの仕様表(ソケット・対応メモリ) |
| ③ 規格を照合する | パーツ同士が取り付けられるか確かめる | マザーボードの対応CPU・メモリ、ケースの対応サイズ |
| ④ 購入する | パーツとOSを買う | Windows 11 Home(USB・日本語)は19,360円(税込・Microsoft Store) |
| ⑤ 組み立てとOSのインストール | 組み立て後に起動を確認し、OSを入れる | Windows 11のシステム要件(TPM 2.0など) |
必要パーツは何がある?最低限と選び方
最低限必要なのは、CPU・マザーボード・メモリ・ストレージ・電源・ケースの6点とOSです。グラフィックボードは、CPUに内蔵グラフィックスがあれば普段使いでは省けます。
| パーツ | 役割 | 購入前に見る仕様 |
|---|---|---|
| CPU | 計算処理 | ソケット・対応メモリ・消費電力・クーラー付属の有無 |
| マザーボード | 全パーツをつなぐ基板 | CPUソケット・メモリ規格・サイズ(ATXなど) |
| メモリ | 作業中のデータを置く場所 | DDR4かDDR5か・容量(Windows 11は4GB以上) |
| ストレージ | OSとデータの保存先 | 接続方式(M.2/SATA)・容量(Windows 11は64GB以上) |
| 電源ユニット | 各パーツへ電力を送る | 容量(W)・グラフィックボード用の補助電源コネクタ |
| ケース | パーツの収納と冷却 | 対応マザーボードサイズ・グラフィックボードの長さ・クーラーの高さ |
| OS | PCを動かすソフト | Windows 11 Homeなどのライセンス |
各パーツの選び方と規格確認のポイント
CPUは同じメーカーでも世代でソケットが変わり、対応するメモリも違います。メーカーの仕様表では次のように書かれています。
| CPU(例) | ソケット | 対応メモリ(仕様表の表記) |
|---|---|---|
| インテル Core i3 14100 | FCLGA1700 | DDR5 4800 MT/s・DDR4 3200 MT/sまで |
| インテル Core Ultra 9 285K | FCLGA1851 | DDR5 6400 MT/sまで |
| AMD Ryzen 7 9700X | AM5 | DDR5 |
LGA1700とLGA1851はソケットが違うため、マザーボードは買い分けが必要です。メモリはマザーボード側がDDR4用かDDR5用かで決まり、両方は挿せません。
必要工具はどこまで揃えるべき?
必須の工具はプラスドライバー(主に2番)1本で、あとは手元を照らすライトと、ケーブルをまとめる結束バンドがあれば足ります。ケース・電源・マザーボードの固定は、ほとんどがプラスネジです。
| 道具 | 使う場面 | 必要度 |
|---|---|---|
| プラスドライバー(2番) | ケース・電源・マザーボード・ストレージの固定 | 必須 |
| ライト(スマホのライトでも可) | ケース奥の端子や配線の確認 | あると便利 |
| 結束バンドとニッパー | ケーブルをまとめて風の通り道を空ける | あると便利 |
| 静電気防止手袋・リストバンド | 部品に触れる前の静電気対策 | なくても金属に触れて放電すれば作業できる |
最優先で揃えたい工具と注意点
ネジ山に合わないドライバーを使うと、ネジ頭をつぶしやすくなります。部品に触る前にケースの金属部分に触れて体の静電気を逃がし、基板の端子や部品には直接触れないようにしてください。
予算はどれくらい?目的別の考え方

総額は選ぶCPUとグラフィックボードで大きく変わるため、パーツの見積もりに、OS代など入れ忘れやすい費用を足して予算を決めます。公式に金額や条件が出ているものは次のとおりです。
| 入れ忘れやすい費用 | 金額・条件(公式の表示) |
|---|---|
| Windows 11 Home(USB・日本語) | 19,360円(税込・Microsoft Store) |
| CPUクーラー | Ryzen 7 9700Xは「サーマル ソリューション(PIB)含まれていません」=別途購入が必要 |
| グラフィックボード用の電源容量 | RTX 5060のシステム電力要件は550W、RTX 5060 Tiは600W |
| 組み立てを店に頼む場合 | ドスパラの組立代行は簡易プラン11,000円・通常プラン22,000円(税込・持ち込みパーツなしの場合) |
最初に削ってはいけない部分とあとから追加できる部分
電源は、グラフィックボードの電力要件を下回ると動作が不安定になる原因になるため、最初から要件を満たす容量を選びます。メモリやストレージは空きスロットがあれば後から増やせるので、予算が足りないときは容量を控えめにして始める方法があります。
初心者が失敗しやすいポイントとは
多い失敗は、規格違いのパーツを買う、ケーブルを挿し忘れる、起動後の設定を見落とす、の3つです。段階ごとに原因と対策をまとめます。
| 段階 | よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|---|
| パーツ選び | CPUがマザーボードに付かない | ソケット違い(例: LGA1700とLGA1851) | CPUの仕様表とマザーボードの対応CPU一覧を照合 |
| パーツ選び | メモリが挿さらない | DDR4とDDR5の取り違え | マザーボードのメモリ規格を確認 |
| 組み立て | 電源ボタンを押しても起動しない | CPU補助電源やフロントパネル配線の挿し忘れ・位置違い | マザーボードの説明書と照らして挿し直す |
| 起動後 | Windows 11がインストールできない | TPM 2.0やセキュアブートが無効 | UEFI(BIOS)設定で有効にする |
| 起動後 | 高負荷で落ちる・熱い | クーラーの固定不足・電源容量不足 | クーラーの取り付けとGPUの電力要件を確認 |
起動しないときは、パーツの故障を疑う前に、配線と設定を一つずつ確認してください。
自作pcに必要なものを揃える具体的な方法と判断基準


パーツは、CPUを決めてからマザーボード、メモリ、電源、ケースの順に、仕様表で一つずつ照合して選びます。組み立てに不安があれば、店の組立代行を使う方法もあります。
ここでは選ぶ順番、ゲーム用の構成、購入前の照合、依頼する場合の料金を確認します。
おすすめパーツはどう選ぶ?
CPUを先に決め、そのCPUの仕様表にあるソケットとメモリ規格に合わせて、ほかのパーツを選びます。ランキングより、自分の用途とパーツ同士の規格が合っているかを優先してください。
CPUを起点にパーツを選ぶ順番
| 順番 | 決めるもの | 照合する仕様 |
|---|---|---|
| ① | CPU | 用途に必要な性能・ソケット・対応メモリ・消費電力 |
| ② | マザーボード | CPUソケット・メーカーのCPUサポートリスト・サイズ |
| ③ | メモリ | マザーボードのメモリ規格(DDR4/DDR5)・メーカーの動作確認済みリスト |
| ④ | 電源ユニット | グラフィックボードのシステム電力要件・補助電源コネクタ |
| ⑤ | ケース | マザーボードサイズ・グラフィックボードの長さ・クーラーの高さ |
自作キットは初心者に向いている?
CPU・マザーボード・メモリなどをショップが組み合わせたセットは、規格の照合の手間が減るため、初めての1台に向いています。ただし組み立てとOSのインストールは自分で行うため、そこが不安なら組立代行の方が合います。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 規格の照合に自信がない | パーツのメーカーや型番にこだわりがある |
| パーツ選びの時間を短くしたい | 後からグラフィックボードを大きく増強する予定がある |
| 組み立て作業は自分でやってみたい | 組み立ても任せたい(簡易の組立代行は11,000円から) |
セットの電源容量とケースの大きさは、将来グラフィックボードを追加するかどうかを考えて確認しておきます。
ゲーミング用途で必要な構成とは
ゲーム用は、先にグラフィックボードを決め、その電力要件と補助電源コネクタに合う電源ユニットを選びます。NVIDIAの公式仕様では、RTX 5060シリーズの要件は次のとおりです。
| 項目 | RTX 5060 Ti | RTX 5060 |
|---|---|---|
| Total Graphics Power | 180W | 145W |
| システム要件 電力 | 600W | 550W |
| 必須の電源コネクタ | PCIe 8ピン×1、または300W以上のPCIe Gen 5ケーブル×1(アダプター付属) | 同左 |
| 標準メモリ構成 | 16GB/8GB GDDR7 | 8GB GDDR7 |
システム要件の電力は、Ryzen 9 5900X搭載PCを基準にした最小要件と注記されています。
ボトルネックを防ぐ構成バランスの考え方
遊びたいゲームの公式サイトにある推奨環境(CPU・GPU・メモリ)を先に確認し、CPUとGPUの両方が推奨を満たす組み合わせにすると、片方だけが足を引っ張る構成を避けられます。
シミュレーションで事前確認するメリット

購入前に構成を一覧にして仕様を照合すると、取り付けられない・電力が足りないといった買い間違いを防げます。照合する項目と、仕様が書かれている場所は次のとおりです。
| 確認項目 | 照合する仕様 | 書かれている場所 |
|---|---|---|
| CPUとマザーボード | ソケット(例: AM5・FCLGA1851) | CPUの仕様表・マザーボードのCPUサポートリスト |
| メモリ | DDR4/DDR5・枚数 | CPUとマザーボードの仕様表 |
| グラフィックボードの長さ | カードの全長とケースの最大対応長 | 各カードメーカーの製品ページ・ケースの仕様 |
| CPUクーラー | 高さとケースの対応高、クーラー付属の有無 | クーラー・ケース・CPUの仕様表 |
| 電源 | 容量(W)と補助電源コネクタ | GPUのシステム電力要件・電源ユニットの仕様 |
見落としやすいGPU・電源の確認ポイント
NVIDIAの仕様表では、RTX 5060シリーズのカードの長さやスロット幅は「メーカーによって異なる」とされています。同じGPUでもカードごとに大きさが違うため、買う製品のページでケースに収まるかを確かめてください。
依頼するという選択肢はアリ?
組み立てに不安があるなら、PCショップの組立代行に頼むのは現実的な方法です。ドスパラの組立代行(税込)は次の2プランです。
| プラン | 作業工賃 | 持ち込みパーツ(他店購入品)がある場合 | 作業内容 |
|---|---|---|---|
| 簡易プラン | 11,000円 | 22,000円 | 組立・ケーブル結線・起動確認・BIOS設定 |
| 通常プラン | 22,000円 | 33,000円 | 上記+Windowsインストール&初期設定・エラーチェック・動作確認 |
送料とパーツ代は別にかかります。簡易プランはドライバのインストールが必要な部分の動作確認は行われない、と案内されています。
依頼の3パターンと選び方
確実に動く完成品がほしいならBTO(構成を選んで買う完成品)、パーツは自分で選びたいなら組立代行、費用を抑えたいなら詳しい知人に手伝ってもらう方法があります。知人に頼む場合は、故障したときの対応を事前に話しておきます。
やめとけと言われる理由は本当か
保証の窓口がパーツごとに分かれ、トラブルの原因を自分で切り分ける必要がある点は事実で、ここが負担なら完成品の方が向いています。ドスパラも、自作PCのパーツ故障は各メーカーの保証対応で、利用するには該当パーツの取り外しが必要と案内しています。
取り外しを店に頼むと、マザーボード故障の交換工賃16,500円、グラフィックボードは11,000円が例として示されています(同社の自作ケアサービス加入時は不要)。
自作が向いている人・向いていない人の見分け方
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| パーツを自分で選び、後から交換・増設したい | すぐ使えるPCが必要で、組み立てに時間をかけられない |
| 起動しないときに原因を一つずつ調べられる | トラブルの切り分けが強いストレスになる |
| 保証窓口が複数でも管理できる | 保証の窓口は1つにまとめたい |
まとめ:自作pcに必要なものを理解して後悔しない準備をしよう
自作PCの準備は、6つのパーツとOSを把握し、CPUを起点に仕様表で規格を合わせることが中心です。
● 必要なのはCPU・マザーボード・メモリ・ストレージ・電源・ケースとOS、工具はプラスドライバーが中心
● ソケットとメモリ規格はメーカーの仕様表で照合する(LGA1700とLGA1851は別物)
● 予算にはOS(19,360円)やクーラー、GPUの電力要件に合う電源を入れておく
● 組み立てが不安なら組立代行(簡易11,000円・通常22,000円)も選べる
まずは用途を決め、CPUの仕様表を開いてソケットと対応メモリを書き出してください。
📚 参考文献・出典
・Microsoft – Windows 11 の仕様とシステム要件
・Microsoft Store – Windows 11 Home
・インテル – Core i3 プロセッサー 14100 仕様
・インテル – Core Ultra 9 プロセッサー 285K 仕様
・NVIDIA – GeForce RTX 5060 ファミリー 仕様
※ 本記事の数値・条件は、上記の公式サイト・公的機関の公表情報をもとに記載しています。価格や条件は変わることがあるため、利用前に各公式サイトで確認してください。


